読むスピードを上げるには…
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
つづき塾のHP会議、書籍出版会議に向けた準備も含め、せわしなく動く毎日です。
6月も中盤にさしかかりました。6年生は前期最後の組み分けテストが終了し、7月の首都圏模試や合不合判定テストに向けて再スタートを切っている頃かと思います。
さて、本日はそんな各種テストで必ず付きまとう悩みである「読むスピード」について解説したいと思います。
昨今の中学入試は国語のみならず、理科や社会でも長いリード文を読んでから回答することが求められているため、暗記科目でも時間切れとなってしまうケースが珍しくありません。
こうした観点から考えると、「読むスピード」というのは現在の中学受験に求められる重要な能力の一つであるわけです。
では、どのような手法で読むスピードを上げていけばよいのでしょうか。
①範読する
学校の授業でもよく取り入れられている、大人が読むお手本を示してから、子どもに読ませるという手法です。
子どもに指示を出す際に一番やってはいけないことは「抽象的な指示だし」です。
「もっと早く読みなさい。」「ペースを上げていこう」など…これでは、子どもはどうしたらよいかが分かりません。
そこで、親御さんや指導者がまずはどのくらいのペースで読んでいけばよいのかをお手本を示すということが有効です。
指示出しの原則は、具体的かつ「やって見せ」の精神。これが重要です。
②音読の一工夫
私は1週間は全く同じ文章を音読させることを実践・提案しています。
これを惰性で行うのではなく、初日から7日目までのタイム計測を行います。
日に日にタイムが短くなっていくモチベーション効果を狙うとともに、7日目に達成すべき目標も初日の音読終了時に設定させるとよいですね。「初日よりも1分縮める」「5分以内に読み切る」など…
このトレーニングを毎日行うだけでも読むスピードは速くなっていきます。
③読書
よく読書をすれば国語力が上がるという意見を耳にしますが、これは人によりけりでしょうというのが率直な感想です。
そもそも活字嫌いな子に無理やり読書をさせても、嫌々勉強では効果がしれています。
そこで、よく提案を行うのが日ごろ教材で読んで面白かった、興味のある題材の続編を読ませること。
国語力が上がる、上がらないは別として、黙読の経験を増やすことで少なくとも読むスピードの改善にはつながってくると思います。
国語という科目は本当に奥が深く、一朝一夕では上がっていきません。
なぜなら、求められる能力の範疇が広すぎるからです。
語句を多く知っているだけでもダメ、漢字テストが毎回満点というだけでもダメ、読み取りはできるのだがゆっくり解いてはダメ、早く読めても要旨をつかめていなければダメ、記述の書き方をみにつけていなければダメ…
他の科目とはことなり、文章中に必ず答えが書かれているからこそ、多岐にわたる能力が求められます。
速読と精読のバランスを取った学習を日ごろからどれだけできたのかが、本番での明暗を大きく分ける科目です。
低学年以下のお子様をお持ちで中学受験を検討している親御さんは、ぜひ読み聞かせや音読を疎かにせず、可能であれば毎日でも国語に触れる機会を作れるといいですね。
早く読むということにフォーカスを当てて記しましたが、あくまでもまずは精読です。
これができるようになった後に、速読のトレーニングを実行していきましょう。
つづき塾の国語の授業は1題の文章をとことん深堀り、線引き・小見出し付け・選択肢の切り方・記述の書き方をじっくりと行った後、もう1題の易しめの教材で速読演習を行っていく予定にしています。