四谷偏差値40台から58の学校に合格した事例
こんばんは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
先週から今週にかけて、この入試を終えたご家庭と振り返り面談を行っています。
中学受験でどのタイミングが一番きつかったですか?と尋ねると、「5年生後半」が半分。「6年生後半」が半分。
と、ほとんどのご家庭がこの2つのタイミングをお答えになりました。
この理由は追って紹介していきますが、私どもがフルコミットしたご家庭で偏差値40台から偏差値58の学校に合格された事例を取り上げることで、日々忙しい中学受験をお過ごしのご家庭の肩の荷を下ろせればと思い、執筆いたします。
まず、驚くかもしれませんが、こちらのご家庭は下記のような状況で合格を果たしました。
・小学4年生10月~小学6年生9月までで、アベレージは偏差値50。振るわないときは40台。58の水準の達成は1回。
・小学5年生の10月は中学受験の勉強自体をストップ。
普通に考えれば、厳しい外部環境の中学受験の偏差値58の学校に合格するのは難しいとするのが一般的です。
しかし、なぜ合格できたのか。
それは、小学6年生10月~のギアと馬力が急上昇したからです。
もともと、計画を立てて勉強を行うのが苦手なお子さんではありました。
そして、気分のむらが激しく、ハイのときはものすごく勉強を行うが、ローの時は全く行うことができない。
瞬時に「短期集中型」のお子さんであることは一目瞭然でした。
なので、粘り強く6年生の9月まではお子さんの気持ちを第一に考え、休ませるときは休ませる。ノッているときは、できなかったものを消化する。こうしたサイクルで導いていきました。冒頭に記したように、5年生の1か月は中学受験の勉強自体をストップさせました。
それでも、結果はタイトルの通り。
最後の馬力がすさまじかったに他なりません。
しかし、この要因を考えると、頑張らないといけないときに頑張れたから。
偏差値はあくまでも参考値にすぎません。
6年生9月の模試で志望校に対して、5程度の偏差値の乖離であれば、対策次第で十分狙っていけます。
(裏を返すと、5程度下でないと安全校とは呼べないので、併願校選択は本当に重要です)
とにかく過去問をやりこみました。当然マイペースに学習を進めていたので、最初は3割程度しかとれません。
これで火がついたのでしょう。
トータル10年分のみならず、やり直しもとことんやりこみ、戦術や気をつけなければならないポイントを徹底的に叩き込みました。
そして、合格を実現したという具合です。
この事例を通して、何を言いたいのか。
それは、目先のテストの結果は志望校を決めないということです。
中学受験はマラソンです。4年生の開始でも3年間の長い長い戦いです。
6年生の秋でも肌感覚30キロ地点です。
大切なことは長期的な視野をもって、一番馬力を上げなければならない残り10キロちょいでギアを上げられるか。
30キロまではみな同じコースを歩みます。その競争です。
しかし、残り10キロは志望校がみんな違うので、異なるコースを特定の集団で争う戦いです。
全く競技が変わるのですが、30キロまでに各々体力は消耗しています。
お子さんが最も重要な局面で力を発揮できるような視点も親御さんは大変重要です。
学年が上がり、キャパオーバーのタスクになっていませんか。お子さんのモチベーションは問題ないでしょうか。
目先の忙しさにかまけると自分を見失いがちですが、大切なことは入試本番まで走り切れるか、走り切ったといえるかという視点。
これを見失うことなく、「お子さんのペース」で頑張っていきましょう。特に5年生以下は。