国語の学習で意識してほしいポイント(後編)
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
前号に引き続き、国語の学習で意識してほしいポイントをお伝えしていきます。
前回、国語の学習についてステップ別に記載し、第四ステップまで記しました。
今回は第五ステップ以降について記していきたいと思います。
第一ステップ:漢字と言葉の積み上げ
第二ステップ:漢字と言葉の意味を確認・理解する
第三ステップ:音読練習を毎日継続
第四ステップ:本文で重要なところを線引きする
第五ステップ:要約の練習を行う(説明文は小見出しづけ)
第六ステップ:本文の重要なところとそうでないところで読むスピードに強弱をつける(文章の重要なところとそうでないところをとらえる)
第七ステップ:選択肢の問題の切り方や引っ掛けポイントを学ぶ
第八ステップ:記述の型を身につける
(同時並行:語彙力を積み上げる)
要約の習慣はつけたいところです。
物語文は「変化前の心情+理由、変化後の心情+理由」で記す。
先生に叱られて落ち込んでいたが、親に慰められたことで少し気分が晴れやかになった。という具合です。
説明文は最初の段階では形式段落(段が落ちているところ)に10字程度でよいので小見出しを付けることを推奨します。
第一段落は繰り返し使われているキーワードが二酸化炭素。第一段落の上に二酸化炭素と記載します。
具体例の段落は、具体例というまとめかたで構いません。
この作業が第六ステップにいきてきます。
例えば、具体例の段落は軽く読み流しで構いません。読むスピードに強弱をつけることが時間が足りなくなるということを防ぐことにつながります。この勘所を身につけるためには、本文の構成(意味段落や心情の変化)をしっかりととらえることが必要になります。なので、第五ステップは意識して家庭学習に盛り込みたいところです。
ここまでの下ごしらえを整え、第七ステップや第八ステップに移行します。
国語は二度と同じ文章の題材は出ませんから、問題を解くことにフォーカスをあてても、成績にはつながりません。
まずは第六ステップまでのプロセスを地道に実行していくことが重要になります。
選択肢の切り方や記述の型については塾技をはじめとして、素晴らしい参考書が多く出版されていますので、1冊扱いやすいものをお買い求めいただければと思います。
しかし、国語が厄介なのはここまでやっても点数に結びつくとは限らないということ。
国語は究極語学なので、語彙力がなければ対応ができません。
英語でもappleやbikeを知らないと当然長文が読めないのと同様、国語も語学ですから、語彙力が必須となります。
選択肢の切り方を学んだとしても、その選択肢に知らない言葉が含まれていたら、切ろうにも切ることができません。
なので、語彙力は同時並行で積み上げていくことが重要なのです。5年生後半から国語の点数が伸び悩んでくるのは文章の題材が固めになり、言葉が難しくなることも一因として挙げられます。したがって、時間がない中だとは思いますが、語彙力の増強も同時並行で取り組んでいきましょう。5年生から1日3個でも意味を把握できれば、塵もつもればで、6年生になったときに大きく花開きます。
国語は算数と配点が同じです。そして、国語力は全科目に通ずる必須能力として、昨今の中学受験は問題が構成されています。(理社のリード文にヒントを仕込むなど)
組み分けテストだけにフォーカスをあてると、理科・社会に勉強がよりがちですが、入試全体を考えると5年上期までは算数・国語の優先順位を高くもってくるべきです。
そして、国語の偏差値が45を切るお子さんは素材文の学年を1つ落とすことも有効です。
国語力の強化で活路を見出す。地道な努力ではありますが、頑張っていきましょう。