Aクラスからの逆転合格術④
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
さて、前回の記事で算数に特化したスケジューリングを組んだとお伝えしました。5年生で宿題を度外視し、4年生のものを扱うことは相当勇気のいる決断でした。しかし、これが功を奏し、5年生5月の時点で偏差値35の子が四谷大塚偏差値60の学校に逆転合格を果たしたわけです。
まず、このお子さんを受け持った時に抱いた印象はとにかく「真面目」
与えられたタスクはきっちりこなしますし、なんとかしたいという想いもある。ところが、真面目が故に「できない自分」「周りと比較して、下位にいる自分」にかなり思いつめていました。そこで、自信を回復させることを主眼に置き、前学年のものを丁寧に扱う戦略へと切り替えました。
さて、算数に特化した最初の2か月。与えたタスクは、計算・一行問題・4年生の復習・5年生の新出単元の基本問題に絞りました。与えられたタスクが難しく、自信を失っていたわけで、まずは成功体験を多く積ませたいと考えました。その代わり、本人にもご家庭にも約束をさせたことが一つだけあります。それは、「とにかく丁寧にこなすこと」
点数やクラスはその時の状況によって、すぐに上げることは難しいです。ところが、丁寧にこなすことは能力関係なく、だれにでもできることです。とにかくこれを徹底的に約束させ、指導していきました。
なぜ、そう感じたのか。最初の指導時、計算問題を解く様子を見ていました。
15×2+6÷3という問題があったとします。苦手な子は元来、以下のように解かなければいけません。
15×2+6÷3
①…15×2=30
②…6÷3=2
③…30+2=32
元来はこのように丁寧に解く必要があります。なぜなら、成績が低迷している子は計算問題、基本問題の失点が非常に多いからです。このお子さんはすべて、頭で処理を行っていました。まずは、途中式を必ず書くように徹底反復で指導をしました。これが功を奏したのか、2か月後には計算ミスが全くなくなり、テストでの失点もなくなりました。次回は、一行問題の指導について記します。
中学受験は6~6割5分の合格点をとる戦いです。難しい問題は解ける必要がありません。基本的な問題でいかに失点しないかの戦いです。練習で120パーセントの力で臨まなければ、本番で100パーセントの力は出せません。計算と基本問題、これをとにかく丁寧に行わせました。スピードは後からついてきます。大手塾では量をやらされるため、スピードがないとすべてをこなすことができないように教材ができています。しかし、これが落とし穴なのです。千里の道も一歩から、苦手な子は作業の丁寧さを追求しましょう。
2021年03月17日 09:00