よい先生とは
さて、一旦逆転合格術シリーズからはなれて、我々が定義する良い先生の特徴を記していきたいと思います。我々は小学校教員・塾講師・家庭教師の現場経験から、数多くの先生を見てきました。皆さんも小学校から大学まで、さまざまな先生に出会ってきたことと思います。「優しい先生が必ずしもいい先生とは限らない」「自分のことを見てくれる先生がいい先生」この辺りは万人に共通する「いい先生」の定義かと思います。
我々は現在、中学受験を生業としています。そうなると、やはり気になる視点が「授業」です。今回は「授業」を視点に我々が思う「いい先生」の定義について説明したいと思います。
私が学生時代に勤めていた塾では、定期的に他校舎のベテラン先生が授業を採点しに来るという機会がありました。また、小学校教員時代には定期的に勉強会が開催され、模擬授業を見せ合うという機会がありました。家庭教師時代には様々な指導法を試したことがあります。これらの経験を通じて、授業のうまい先生の定義にはある「共通点」があることがわかりました。
それは、「口数の少なさ」です。
授業の上手くない先生はまず、口数が多いです。言ってみれば、ワンマンショーです。すべての大学の先生がそうとは言いませんが、大学の授業は比較的こうした授業が多かったように感じます。
では、口数が多いとなぜまずいのでしょうか。
それは、学習者が「考えなくなる」ためです。知識のインプットや教え込みももちろん、必要です。しかし、そこで得た知識をどのように生かすかが勉強では重要なのです。中学受験でも一問一答形式の問題は少なくなりつつあります。また、センター試験が廃止されたことに伴い、中学受験でも今後はより一層考えを表明する力や資料を分析する問題が多く出題されてくると予想されます。そうしたときに、知識を学んだだけでは太刀打ちができなくなりつつあるのです。
ここで試されるのが指導者の力量です。指導者の一番大切な役割は、限られた授業時間の中で「何を教えたか」ではなく、「何を身につけさせたか」が極めて重要なのです。自分だけが満足して教えた気になっていても、学習者がその知識を生かせるようになっていなければ、意味を成しません。
口数の多い先生は知識を教えることに一生懸命になっています。口数の少ない先生は「なぜ?」「どうして?」などの質問のシャワーを浴びせ、子どもに答えさせるので、自然と口数が少なくなります。
私は教員時代と塾講師時代に自分の授業を撮影し、喋った時間を測っていました。これを減らすことを目標に授業を組み立てていました。
そうした理念をタカベルに持ち込み、考えさせる学習指導を徹底しています。人間は考える頭脳を持っているから、人間なのです。
今日も考えさせる授業案を考えます。
2021年03月18日 21:00