偏差値ごとにおける国語の課題①
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
Twitterで反響の大きかった題材で、ブログ記事にするように要望がありましたので、本日は偏差値ごとにおける国語の課題について記したいと思います。
※国語は乱高下の激しい科目であることから、偏差値は毎回の平均値ということでお考えいただけると幸いです。また、偏差値は四谷大塚のものを想定しています。
・偏差値40以下
課題…語彙力・音読・集中力
このゾーンは上記3つに課題を抱えています。そもそも活字嫌いで、読むことを放棄している可能性があります。そこで、まずは1日1分でもいいので音読を行う機会を設けましょう。
1日1分ができたら、2分、3分と徐々に伸ばしていきます。そして、目一杯褒めてあげましょう。「そんなに上手なんて知らなかった」「もっと聞きたいな」等…
頑張ったら評価されるという成功体験が苦手克服には最も重要な要素です。
褒めながら、音読に対する抵抗感を取り除いていきます。加えて、語彙力の強化も必須です。言葉を知らなければ当然ですが、文を読むことはできません。音読をしていて意味の分からない言葉を調べること、日ごろ出されている宿題は読解ではなく、漢字と知識にウエイトを重く置きながら、行っていきましょう。焦って読解の宿題に手を出しても、意味をなしません。
・偏差値45以下
課題…語彙力・精読力
このゾーンは上記2つに課題を抱えています。音読は好きな子が多いのもまた事実です。
ところが、深い読み取りと線引きの作業が足りていません。実は、国語の読解は線引きのポイントをしっかりと抑えることができていれば、そこを手掛かりに解答できる問題が大半を占めます。少なくとも偏差値50を下回ることはありません。そこで、以前から再三記しているように3日分け学習法で読解の精読トレーニングを行ってみてください。
日ごろのタスクの中に音読と質問対話、線引きを必ず盛り込みます。線引きの箇所については下記の「文章読解の鉄則」という書籍をご参照いただければと思います。これを3日分けで1週間2題扱うことができるとベストですね。問題を解くことではなく、文章を深く読み取ることが偏差値50にのせるための近道かと思います。したがって、このゾーンは日ごろ出されている漢字と知識、文章精読に重きを置いたカリキュラムを組んでいきましょう。
・偏差値50以下
課題…速読力
精読もやった。音読もこなすことができている。漢字や知識も平均点以上の得点をできている。でも、偏差値50まであと一歩。このゾーンの課題は速読力であると考えます。他の科目は時間が余るくらいなのに、国語だけは時間が足りないというお子さんも多くいます。
精読トレーニングは絶対にやらなければならないのですが、一方で難点もあります。それは、スピードがついてこないという点です。そこで、精読トレーニングの土台が整ってきた段階で速読の練習へと移行しましょう。時間制限を設けて、前述の精読の作業をこなすことができるか。これのトレーニングを積むことです。そのためにも、まずは毎日の音読と精読の作業が土台として必要になるわけです。
語彙力の強化+音読→精読→速読
これができたのち、ようやく設問へと移れるのです。つまり、結果が出ないからと言って、こうした地道な作業を怠ってはいけません。また、国語が苦手な子は日ごろ出されている設問メインの宿題を改める必要があります。上記のようなベースが整わずして、設問を行っても仕方がありません。割り算を習っていない子が割り算の計算問題を繰り返し解くのと同じことを行っているのです。
次回以降はより1段階上に行くための課題をまとめてみたいと思います。