読解は一朝一夕ならず
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
依然として、国語に関するご相談が多くありましたので、本日は国語について記していきたいと思います。
まず、何も手を施してこなかった子が急激に国語が伸びることはありません。
本当に、毎日の少しずつの積み重ねが重要な科目となります。
タカベルの家庭教師で国語を指導する場合、少なくとも4・5年生は問題を解けるようになることはさほど重きを置いていません。
同じ問題は二度と出題されないことに加え、その問題が解けても初見の問題で解けるようになるとは限らないからです。
私共は文章を解く上での下ごしらえに重きを置いて、指導をしています。
まず、音読をさせます。
これは、その子の語彙量が一目瞭然で分かるためです。
読みにつまるところは間違いなく、その子が知らない言葉です。これをあぶりだすことによって、語彙量を増やしていきます。
音読を子どもにさせないと、これを見破ることはできません。
次に、口頭で要旨を確認します。
「この話はどういう話?」
「テーマは何?」
「誰と誰が登場して、どういう心情になっているの?」等々…
質問のシャワーを浴びせます。
ここまでで、第一段階。
つぎに、線引きのポイントを指導します。
よくある小学生の特徴が、線引きをすることの必要性や意味が理解できないというケース。
国語に困って、申し込みをされる子の多くが線引きをしてきた習慣がありません。
また、算数は得意なんだけど、国語ができないから難関校が難しいという子もいます。
そんな子にやるのが、1~2年後に読む入試問題をあえて見せること。
多くの子はその長さに圧倒されます。
「どう?長いよね」「一から読み返して答えを探している時間ってある?」
「だから、線を引かないといけないというのはこういうことなんだよ」
国語に限らず、望ましい行動をとらせたければ、見通しを示すことです。
自分が受験をするうえで身につけなければならない能力であることが分かると、子どもは行動をします。
ここから、線引きの指導が始まります。
これが終わってもまだ問題には移りません。(気を持たす指導者ですよね…)
段落・場面ごとに小見出しや20字程度の要約を行わせます。
国語は「読む・話す・聞く・書く」の4技能を問う科目です。
音読で読ませ、要旨確認で話させ、線引きのポイントを聞かせただけでは、書く作業が抜けています。
しかし、書くということは国語が苦手な子どもにとって、最もハードルの高い作業。
いきなり書けといっても、不可能です。
であるからこそ、前段階で十分におぜん立てをしてからでないと、書けません。なので、この作業は一番最後に持ってきます。
ここまでできて、ようやく問題に移行します。
国語の成績が安定しないのは宿題をやって終わりになっていることに原因があります。
宿題でやった文章が問題になって出てくることはほとんどありませんし、解いて終わりになることほど無意味な時間はありません。
こうした地道な作業が、国語の成績の安定化や6年になったら急に下がる問題の解消につながります。
また、よく読書という意見も耳にしますが、これもやらされ勉強では意味をなしません。
強制的に読書をさせても、国語の成績には全く効果を及ぼしません。
そこで、提案しているのが、予習シリーズ等で一回読んだことのある文章の続編を読んでみること。
毎日10分程度、親子で一緒に読む時間を作ってみてもよいかもしれませんね。
国語は学習したことが問われない分、他の科目よりも成績が伸びづらいことは事実であると思います。
しかし、どんな文章でも国語という科目は、文章中に答えが書かれている、簡単な科目であるとも思います。
簡単であるからこそ、奥が深い。
指導者の力量が試されるので、やりがいは多いです。
ぜひ、実践してみてください。