合格までのロードマップの重要性
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
埼玉入試が一段落いたしました。
現在は千葉校の傾向分析と、東京+神奈川校に向けた学習計画の策定・願書添削・特殊入試対策の対応等、私共も最後の追い込みの時期となっております。
我々は、
1.担当生徒全員の全学校の合格
2.生涯にわたって、学び続ける姿勢の醸成
この2つをとことん追求して運営をしております。
今のところではありますが、今年度の6年生は8割方この目標を達成できているかなと考えています。(合格実績はすべての受験が終了しましたら、更新いたします。)
これは創業3期目にさしかかったこともあり、4~5年生のころから関わらせていただいたご家庭が受験生となったことが挙げられます。昨年までの受験生は6年生からの関わりが多かったので、提案の幅に限りがありました。
この違いは何かと考えた時に、受験終了までに必要なロードマップを早い段階から示せるかどうかという点が大きくかかわっていると感じます。
一般的に大手塾のカリキュラムは、5年生ですべての新出事項が終了となり、6年生からは総復習となります。
当然、それまでの消化不良が多ければ多いほど、戦いは厳しさを増してきます。
5年生までの内容のベースがしっかりとしているお子さんは、6年生になったときに入試問題に近いレベル感の問題に着手ができます。多少抜けがある単元は、隙間時間に弱点補強を行えばよいという好循環が生まれます。
ところが、5年生までの内容に穴が多い場合は、まずこの穴埋めから行わなければならなくなってしまいます。
お子さんのモチベーションが高ければ逆転もうかがえますが、モチベーションが低い場合が往々にして多いので、負のスパイラルにはまってしまうという構図が生まれてしまいます。
つまり、5年最後の時点での立ち位置が中学受験においては1つのキーポイントになってくるということです。
ここである程度の立ち位置をキープできるかどうかが、学校の選択肢の幅につながってきます。
では、5年生でどのようなロードマップを描いているのか、その一端をお示しいたします。
まず、全ご家庭5年生前期までの目標は2科偏差値をとにかく追っていただくことに注力いたしました。
偏差値を追うだけではなく、長期記憶と実力になる算数・国語の勉強法をとにかく実行いただいています。
なぜか。5年生後期になると、算数では今まで学習してきた内容を「比」を用いて学習します。
「割合」の概念が腹落ちしていないと、当然「比」を使いこなすことができません。
「速さ」の概念が腹落ちしていないと、当然「速さと比」を解くことはできません。
これは、4年~5年の段階で問題を絵に落とし込むトレーニングを疎かにしてきたことも一因としてあげられます。
そして、「比」を使いこなせないこと=5年最後の立ち位置を決めることにつながります。
また、国語の5年前期と後期の決定的な違いは、文章の難易度と量、選択肢の長さが急激に増すという点です。
それまで、国語の家庭学習をせずになんとなく点数が取れてきたお子さんが取れなくなってきます。
しかし、本ブログで再三記しています4日分け勉強法をコツコツと行ってきたお子さんは、読むスピード・文章に向き合う姿勢・文を塊でとらえる能力が身についているので、大崩れしません。ここからは記述のトレーニングと解き方を学んでいくのみです。
5年前期で2科目の勉強法を身につけ、成績になっていれば御の字です。5年後期に相次ぐ、転塾や退塾を検討することはなくなるでしょう。
5年後期は上述のように算数・国語の難化に加え、理科の原理原則を伴う計算分野が入ってきます。そうなると、5年生最後の立ち位置を決定づけてしまうことにつながります。こうなってしまってからでは目指せる限界というものが発生します。
受験計画の策定というのは、仕事と同じプロセスをたどると思います。
「25日は来店客数が多いから、25日までにできる仕事はあらかじめ進めておこう」という考えと同じで、「5年最後の立ち位置が重要。5年後期は学習内容が難化するから、5年前期までに2科目の学習法を固めておこう」という、目標や来たるイベントから逆算した行動管理が重要です。
2025入試までは昨今の中学受験と同様、激化が予想されています。仕事を例にとりましたが、受験のさらなる難しさは競争相手がいること。
前倒しの学習が大切なのではなく、ロードマップをしっかりと意識して日々の学習を進めること。これが重要であると、今年度の受験で想いを強くしている、今日この頃です。