読書=読解力向上の解ではありません
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
気が付けば5月ももう終わり。
今年に入りノンストップ怒涛の5か月間でしたが、先週の慰安旅行でようやく一息をつくことができました。
6月に入るとすぐにマンスリー、組み分けとまた続いていきます。
体調不良者も多いと聞きますので、どうぞご自愛ください。
さて、本日は読解という単元が一朝一夕には伸びないわけについて記したいと思います。
国語は語学ですから、まずは言葉を覚えていかなければなりません。
当然、熟語というものは漢字が積み重なってできますので、国語の基礎学習の第一歩は漢字学習というわけです。
そして、本文を読み取る際の語彙力というものも当然求められますから、次なる第一歩は語彙力の強化となります。
単語と助詞が合わさり、文が構成されていきます。そして、文が集まり、文章となるわけです。
当然得点化をしていくためには、設問に答えられるようにならなければいけません。
ところが、そこには常に制限時間という壁が立ちはだかります。
つまり、文章を「早く読む」能力と設問を「早く解く」能力が要求されます。
「早く読む」能力というのは、いきなり早く読めるようになるわけではありません。
日ごろから活字に触れている経験をしていないと、不可能です。
ところが、読書をしていてもこれはなかなか改善されていかない問題であると思います。
しかも重要なことは、読解が苦手なお子さんは読書も嫌いなものです。
そこで議論になるのが、興味がある文章を提供すればよいのではということ。
しかし、試験の題材は苦手な子にとって興味のない文章が出てくることの方が多い。
読書をしても点数化できない。そうなると、読書をますます嫌がるようになる。
正直、私共はやらないよりはマシという程度でとらえています。
では、どうすれば早く読め、早く解けるようになるのか。
5年生の前期までに「精読勉強法」を確立することです。
1つの文章を3日にわけて行います。
初日は音読と線引き。
2日目は音読と要約。
3日目は音読(タイム計測)と設問。→初期は選択肢問題のみ。
毎日同じ文章を読み、最終日にタイム計測を行うことで、どれだけのスピードで読まなければいけないかを感じ取ることができます。1題6~8分で読み切ることが入試では要求されます。
そして、重要な箇所に対する線引きを行うことで、設問を早く解くための下ごしらえを行います。
作者は十人十色ですが、問題作成者は国語のプロが作ります。だいたい、どの出題者も聞きたいことは決まっています。
それは、「本文の中で重要な箇所を捉えられていますか?」ということ。正しい箇所に線をひければ、問題を解く糸口を探す時間短縮につながるというわけです。
次に、要約。これは文章を塊でとらえる練習です。〇行目から〇行目は「地球温暖化」の話。〇行目から〇行目は「花子が落ち込んでいるシーン」と、塊でとらえることができれば、これまた設問を解く時間短縮につながります。
抜き出し問題などでは国語が苦手なお子さんは1から探す傾向にあります。塊で文をとらえることができれば、答えの箇所にあたりをつけられますよね。
このように、漢字と語彙→毎日の音読→精読トレーニングを積めてはじめて、設問をどう解いていくかという段階に入ります。
読み方が定まっていないお子さんが付け焼刃の設問解法テクニックを学んでもその文章では通用するが、他の文章では全く通用しません。
そして、1度読んだことのある文章は2度と出題されませんから、これはあまり意味のないトレーニングです。
時間はかかるかもしれません。テスト対策ではないので目先のテストの点数は上がらないかもしれません。
しかし、思い出してください。国語は算数と配点は同じ。どの科目でも「問題を読む」ことが要求される。
そして、生涯にわたって仕事でも読解力は必要。
コスパの悪い話ではないと思います。1歩1歩頑張っていきましょう。