5年生のご家庭へ
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
リセマムさんの「Editors’choice 2023」を先日受賞させていただき、お問い合わせを多く頂戴するようになりました。
特に5年生からのお問い合わせが多いように感じます。
そこで、今回は成績不振に苦しむ5年生のご家庭に向けたテーマでブログを執筆させていただきます。
現在、このような負のスパイラルに陥ってはいませんでしょうか。
学習が難しくなる→それをカバーするために、量を増やす→それでも成績が上がらない→本人のモチベーションが下がる→喧嘩が増える→転塾などを検討
このような循環になることは5年生の後半にありがちなことです。
5年生の後半がある意味で中学受験における高い高い第一関門といってもよいでしょう。
そこで、あえてお伝えをします。
「この段階において、成績は簡単には上がりません。現状維持だけでも難しいことです。」
実は、この視点を持つことが5年の後半においては重要なのです。
下記に簡単に成績が上がらない外的要因をお示しいたします。
①5年夏までの既習内容を応用した単元が集中するから。
「比」が学習のメインになってきます。
比は最も抽象的単元で、小学生が使いこなせるようになるには一朝一夕にはいきません。
それも、割合と絡めてきたり、速さと絡めてきたり、図形と絡めてきたりと、既習事項と連結させた内容になってきますため、当然ながら既習事項の理解がおぼついていない場合は、その時点でハンデとなるわけです。
②成績下位層が抜けているため。
5年の夏から後半がもっとも転塾の多い時期となります。転塾は成績上位層ではなく、成績下位層が中心となるため、当たり前ですが全体的に底上げがなされます。この環境下において、大手塾の中で、成績を向上させるだけでも難しいことなのです。
③受験まで1年余りある。
大人にとっての1年と子どもにとっての1年は大きく違います。
6年生のコーチングで「あと3か月になったね」というと、皆が口をそろえて、「まだ3か月もありますよ~」と口にします。
このことからも、大人の時間軸と子どもの時間軸は大きく異なることが分かります。
それが5年生ならばなおさら。まだまだ遊びたい盛り。誘惑も多い昨今のプラットフォーム。
モチベーションが出ないことも理解ができます。
重要なことは、これら外的要因があることで、「成績は簡単に上がるものではない」と親御さんが胸にとどめていくことです。
しかし、やはり我が子。成績が上がらないとついつい、感情的に動いてしまう気持ちも一定程度は理解できます。
ところが、感情的にぶつかっても、行う当人に問題意識がなければ、どこ吹く風。
そして、感情的な判断は怖いもので、その先にまで影響を及ぼします。
成績が下がった→無理やりやらせる→勉強が嫌になる→中学受験撤退
中学受験をやる・やらないことについては、私共はどちらでもよいという立場ですが、「一度やると決めたものをやめる」ということは今後の長い人生においてもそれは大きなマイナスであると考えます。ましてや、「一度やると決めたものをやめさせる」ということはもっとマイナスです。
そこで重要な視点は「お子さんとの対話」です。
毎日のように降ってくる新出単元や毎週のようにやってくるテストに追われる忙しい毎日を過ごしていたら、なかなか対話の機会も取れないことかと思います。
こうした負のスパイラルから脱却するポイントの一丁目一番地は「対話」です。
まずは、お子さんの気持ちを受け止めてあげましょう。お子さんもお子さんで辛いはずです。
そして、どうしていきたいのかを同じ目線で考えてあげましょう。
「環境を変えたいのか、今の環境でやりきりたいのか。」
「中学受験はやりたいのか、そうでないのか。」
そして、環境を変えずに中学受験をやりきりたいと言った場合。
6年生になって理解できとかなければいけない内容だけに絞って、無理のない範囲で学習を進めていきましょう。
どうしても目先の成績から逆算して考えると、あれもこれもという視点になりがちです。
しかし、「この子がこの先やると決めた受験をやりきらせるためには」という点から逆算して考えれば、学習計画の緩和から着手すべきでしょう。
すべては「後悔しない中学受験を」
5年生の今の時期はどちらにも転ぶ分水嶺のため、一筆記させていただきました。