差がつく算数家庭学習法
こんばんは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
今回の合不合の算数平均点は例年よりも高かったと思います。
もちろん、各受験生がしっかりと準備をしてきたこともありますが、
・大問3~8の(1)がかなり簡単だったこと
・(1)の条件を使って(2)を解ける問題構成になっていたこと
以上から、例年よりも平均点が高かったのだと思います。
しかし、今回出た算数偏差値が真の実力であるかどうかはなかなか難しい判断です。
たとえば、大問4の図形の問題。
(1)が(2)を解く上でのかなりのヒントになっていました。
ところが、真の実力を図るには(1)なしに、(2)が解けるのかどうか。
この問題は比を使って解く問題なのですが、(1)で比を質問してくれたことから、多くの受験生は「ああ、これは比を使って解くのね」と理解ができたかと思います。
しかし、大問4の(2)をいきなり聞かれていたら、比を使うのかどうかわからず、63%の正答率はかなり落ちていたことでしょう。
算数は誘導してくれたり、ヒントを出してくれたら解けるのだけど、そうでない時はこれは何の問題なのか分からなくなり、解けなくなるケースが多いかと思います。
例えば、下記のような5年生のテキストでも同じことが言えます。
ある学校の生徒数は490人で、男子の生徒数の4/5と女子の生徒数の5/6は等しくなっています。
これについて次の問いに答えなさい。
(1)男子と女子の人数の比を求めなさい。
(2)男子は何人いますか。
(1)で誘導をしてくれているので、これは比の問題なんだなと認識できます。そして、(1)が分かれば芋づる式に(2)を解くことができます。
いわば、(2)はオマケみたいなものです。
しかし、(1)なしに(2)を聞かれた場合、比を使いこなせていないと、解くことはできません。算数が苦手なお子さんは一転して、難問という認識になります。
つまり、算数は同じ問題を問われていても聞かれ方によって、簡単になる場合も難しくなる場合もあります。
これこそが、範囲が決められたテストなら取れるけど、範囲が決められてないテストだと取れなくなる原因の一端でもあるのです。
しっかりと解法が腹落ちしていれば、暗記算数にはならないので、どういう聞かれ方でも取れます。
しかし、腹落ちをしていないと、付け焼き刃の暗記算数になっていることから時間を置いて聞かれたり、聞かれ方を変えられると太刀打ちできなくなります。
であるからこそ、家庭学習の算数では「解法を説明させる」ことと、「予習シリーズなどを2周目する時は(1)を隠して負荷をかける」ことが重要となります。
そして、この学習を早い段階からやっておけばおくほど6年生になったときの困り感が減ってきます。
ぜひ、お試しください。