高学年女子の反抗期vs中学受験
こんばんは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
本日は前号に引き続き、高学年女子の反抗期の中学について記したいと思います。
小学校の先生が最も気をつける存在、それが「高学年女子」であるかと思います。
学校では特定の集団を形成し、集団内での人間関係・集団同士での人間関係・先生との人間関係など、さまざまな局面でトラブルが発生しやすく、扱いに苦慮している先生も多いでしょう。
では、なぜ人間関係のトラブルが発生しやすいのか。
これが中学受験での接し方のヒントになると思い、まずこの視点で記したいと思います。
男子と比較し、精神的発達が早いため、社会性を身につけるのも早いことが特徴です。
どのテストを受けても女子の方が国語の平均点が高いのは、この社会性を早い段階から身につけていることに他なりません。
自分ファーストではなく、集団ファーストで動いているからこそ、他人の気持ちに敏感なのでしょう。だから、国語が得意。
しかし、社会性を身につけるということは、男子ほど「自分の色を出せない」「自重しないと村八分になる」という意識がはたらき、自分を押し殺しているお子さんも少なくありません。
また、女子は「共感したい」・「共感されたい」という深層心理で集団を形成します。
これ自体は悪いことではないのですが、集団を形成するということは「周囲との比較」という視点が必ず入り、自己肯定感が低かったり、自信を持てないお子さんが多いのも大きな特徴です。
ここまでをまとめてみますと、高学年女子の特徴は、
・社会性を身につけていることから、自分を押し殺している。
・社会性を身につけていることから、自己肯定感が低い。
・共感したり、共感されたりすることで、人間関係を構築している。
こういう特徴を持っていることが多いという視点で接してあげることがまずは重要です。
だからこそ、
・家ではある程度、羽を伸ばさせてあげる。
・存在ややっていることを認めてあげる。
・マイナス言葉を吐いたときは、一旦は共感してあげる。「大変だよね~」など。
では、具体的にどのように中学受験に落とし込んでいけばよいのか。
下記のチェックポイントが参考になりましたら、幸甚です。
✅やっていることの目的や目標に常に立ち返らせる
教員時代に学んだ言葉がけがあります。
「ごみを拾いなさい」では動かず、「みんなが気持ちよく過ごすために、ごみを拾います」という言葉がけでないと、動かない。
今やっていることの目的や目標に常に立ち返らせるという言葉がけが重要になります。
娘「朝勉強めんどくさい」
母親「めんどくさいよね。毎日よく頑張ってると思うよ」→共感する
「でも、何のために勉強してるんだっけ?」→目的を引き出す
娘「成績をあげるため」
母親「成績をあげるためだよね。つらいと思うけど、一緒に頑張ろう。」→共感+同じ目線で
男子は目先の楽しさやわくわくに目が行くのでテンションの上がる学習という視点が重要ですが、女子は精神的に発達している分、やっていることの意味に立ち返らせることが重要となります。しかし、これも伝え方が重要です。
✅子ども扱いしない伝え方
高学年女子が最も嫌がること。それは、「子ども扱い」です。
家庭教師で高学年女子を受け持ったときに、2人に1人から聞いたことあるのが、「うちの親はいつも子ども扱いをするんだよね」です。
では、子ども扱いとはどういう対応なのか。
それは、上からの指示出しです。「要点チェック終わったの?」や「早く4まとをやりなさい」など。
男子ももちろん嫌がりますが、女子は特に嫌悪感を示します。
親御さんにとってのお子さんはまだまだ未熟な部分も多く、子どもと感じるシーンも多いでしょう。
しかし、高学年女子を1人の大人に接するつもりで対応しないと、過度な反発を招きます。
ひどい暴言が発せられる傾向があるのも特徴ですが、これは「自分を下に見ないで」「大人として扱って」というある意味の反作用なのです。
指示を出したいのを思い切って我慢し、「今しんどい?」や「大変だよね」と共感・傾聴をこころがけ、「目標に向かって頑張っていこう」と声かけをする。
悩んでいる友人に接するつもりで声掛けをする視点でいくと、良いかと思います。
✅フリートークの時間を設ける
前述しましたが、高学年女子は心の中に様々な感情を抱えている状態。
しかも、中学受験を行っているお子さんはどちらかというとマイナスな感情であることの方が多い。
周りと比較するシーンも受験をしない子と比べて多いでしょう。
なにかを解決してほしい状態ではなく、解決できるとも思ってもいなく、とにかく吐き出したい、聞いてほしい状態。
こうした時に、勉強のことばかりを話すと、もう信頼関係は築けません。
勉強に行き詰まったら、勉強外の話題を話すことで、突破口が開けるかもしれません。
とにかく、コンサルではなく、コーチングです。
それも、受容・共感・傾聴。これに尽きます。
以上、2回に分けて反抗期対応について記してきました。
今のご時世、性差について語るのはやや憚られますが、やはり脳内構造も異なることの方が多い。
性差なしには中学受験対応は語れないと考え、筆を執りました。
まとめると、
男子→ライバル・数字の重要性。
女子→内面に働きかける重要性。
そして、大切なのは子どもと同じ目線に立つこと。
上から目線では反発を招き、下から目線ではなめられる。
勝負重視の男子には同じ目線で、自らも子どもになって勝負する。
コミュニケ―ション重視の女子には同じ目線で、大人として接する。
中学受験はお母様が女優になることが大切と言いますが、演じる必要はありません。
視点を上からではなく、子どもに合わせるという意識が何よりも重要であると思います。