中学受験vs高校受験論争で思うこと
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
本日は趣向を変えて、昨今話題になっている「中学受験がよいのか悪いのか」論争について、私見を述べたいと思います。
(あくまでも中学受験と高校受験生の指導経験による私見が多分に含まれているので、ご容赦ください。)
中学受験と高校受験を比較検討する際に、中学受験に向いている子と高校受験に向いている子という視点で記す必要があるかと思います。
まず、私が中学受験生を多く見てきた中で思う中学受験に向いている子は
①学習に対する興味・関心の幅が広い
②周りに流されない(楽をするほうに流されない)
③小学生対比、精神年齢が高い=国語力が高い(読解ではありません。読む力・聞く力・書く力・表現力という総合力での国語力という意味です)
率直に、この要素があると中学受験には間違いなく強いと思います。
一方、高校受験に向いている子は小学生の時にある程度の勉強習慣が身についていること前提で、
①実技科目の内申もとれるオールマイティーさ
②勉強以外に打ち込んでいるものがある
③学校での活動に積極性がある
公立の高校を目指すことを前提としたときに重要なことは、英・数・国・理・社以外の要素。
そして、小学生時代~中学生を通じて、スポーツや習い事など、何か1つに打ち込んできたものがあるお子さんはテスト前の馬力が違いますから、向いているのかなと思います。高校受験生を指導していた時に、この傾向は多く見受けられました。スポーツで学んだことを勉強にも応用している様子でした。
ただ、この判断軸だけで中学受験がよいか高校受験がよいのかを争うのはやや乱暴だと思います。
あくまでも向いているかどうかの問題であり、どちらのフィールドであれ、偏差値帯を問わなければ、上記の3つずつを備えていなくても戦えるからです。
事実、先ほど記した中学受験に向いている3つの要素を持っている子は一握りで、そういうお子さんが御三家に合格した子に比較的多く持っているという特徴というだけで、ほぼ多くのお子さんは持ち合わせていないのが実情でしょう。
かくいう、私は全く持ち合わせていない中で、中学受験を送りましたので。。。
であるならば、向き不向きだけで、論じることはできないと思います。
そうなると、重要な視点は
「親御さんがどう育てたいのか」「お子さんが何を望んでいるのか」
これに尽きると思います。
親御さん目線だけで考えると、
最終学歴を第一に考えるのであれば、中学受験の方が選択肢は広いのかもしれませんし、
勉強以外の1つのことを打ち込んでもらって、そこから何か大切なものを学んでほしいということであれば、中学受験を行う必要はないと思います。中学受験で失うものもありますので、、、
ただ、大切なことはお子さんの意思です。
最悪なことは、親御さん主導で行った中学受験を「成績が上がらないから」「やる気がないから」という理由で、お子さんが「やめたくない」と言っているもしくは意思を確認せずに、辞めさせること。
これでは何のための中学受験なのかということになってしまいます。
スポーツも同様。
「上達しないから」「やる気がないから」という理由で、お子さんが「辞めたくない」と言っているもしくは意思を確認せずに、辞めさせること。
これでは中学受験をやっていた方がよかったのではということにもなります。
重要なことはお子さんの人生はその先もずっとずっと続いていくということです。
子どもたちはいずれ親御さんから独立をして、自らの力と人脈だけで生きていかなければなりません。
何かのイベントを通して、少しでもよいから成功体験を積むことが、「生きる力」になるのだろうと思います。
その観点で考えれば、大切なことはお子さん不在の「中学受験vs高校受験」という視点ではなく、1つ1つのイベントを通して「生きる力」を身につけさせること。
それが早期教育であっても、スポーツでも、両方を少しずつでもよいのです。
目先の成績や試合の結果やコンクールでのパフォーマンスばかりを追い求めると、断念もよぎり、原点を見失いがちですが、「何のためにやっているのか」という視点を忘れないでほしいと思います。
その際に忘れないでほしいことは、お子さんの意思と想い。これに尽きます。