中学受験「個別最適化」を考える③
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
さて、複数回にわたり中学受験「個別最適化」を考えています。
私共は8月8日に法人設立を行いましたが、一番の想いである「後悔しないために、個別最適化」という理念を皆さんに広げていきたいからであります。
第1回は宿題について、第2回は科目の優先順位について記してまいりました。
第3回はモチベーションについて。
これが究極の個別最適化であると考えています。
私共が今まで担当してきたケースでは、モチベーションが高いお子さんならば、家庭学習のやり方を変えれば自ずとコンサルティングのみで成績アップにつなげることができました。
しかし、モチベーションが低いお子さんはいくら家庭学習のやり方を変えても現状打破が難しいケースが多いので、2期前からコーチングを導入し、お子さんが納得した状態で目標に向かって努力することを促すサービスを展開しています。
結局、やるのはお子さんです。
やるお子さんのパワーがないと、いくら大人が手を回しても、現状打破には繋がってきません。
お子さんのモチベーションを高めることこそが、究極の個別最適化であり、糸口になる。
しかし、物事はそう単純ではありません。
なぜなら、お子さんの深層心理まで踏み込み、お子さんの行動を促していかなければならないので、ものすごく粘り強い対応が必要になってきます。
折角やる気になっていても、「なんでまだやってないの!?」の一言で、カムバックにさらなる時間を要する。こんな経験も多いかと思います。
親御さんの悩みが十人十色であれば、お子さんの悩みも十人十色です。
「周りの子は遊んでるのに…」
「頑張ってるのに、成績が上がらない…」
「学校で嫌なことがある…」
「塾の雰囲気が怖い…」
「明日から頑張るから、今日は休みたい…」
「合格に向けて自信が持てない…」
「兄弟に勉強を邪魔される…」
「ほめてもらえない…」
「直したいのだけど、すぐ気が散ってしまう…」
「習い事をやめたくない…」
十人十色と書いたので、10個ほど挙げましたが、本当はもっともっとあるはずです。
こういう多くの悩みがある状態で「やりなさい」と言ってしまうと、中学受験どころか、親子関係にも影響することになります。
そこで、「ある程度」の決定権をお子さんに持たせるというスタンスは重要です。
かなり極端な例ですが、目標設定一つをとっても、
「あなたは絶対に〇〇中学進学だからね」と、与えられた目標よりも、「あの先輩のようになりたいから、〇〇中学に行きたい」と自分で設定した目標の方が当然頑張れるわけです。
家庭学習一つをとっても、工夫はできます。
一部のお子さんを除き、今日やるべきことを可視化することは難しいです。
したがって、やるべきことはある程度示す。
一方でやる順番については、国語優先であとは好きにカスタマイズしてよいよ。
等と、裁量を持たせることは重要かもしれません。
そして、1日の目標設定をお子さんに立てさせて、宣言させる。そのフィードバックを1日1ほめを意識して、行ってあげる。
今日の目標は「筆算をサボらないこと」とお子さんが立てた場合、少々気になる他の要素(字が汚い等)は排除して考えてあげる。
宿題も優先順位付けも目標設定も、あれもこれも状態から脱却することが大切です。
長くなりましたが、成績不振に苦しむお子さんのキーワードはとにかく「個別最適化」です。
宿題もお子さんのペースで、クラスもお子さんのペースで、1日の優先順位はお子さんの成績で、接し方もお子さんの性格や状態を見て進めていくこと。もしくは、親御さんや指導者がそういう視点を常に持っておくことが「個別最適化」につながると信じて、毎日の業務を遂行しています。