4・5年生で転塾を考えるときのポイント
こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
今年も転塾・退塾の相談が始まりました。
毎年、秋口はこうした相談が多く寄せられます。
では、安易に転塾・退塾の判断をしてもよいものなのか。
どのご家庭にも申し上げていますが、答えはNOです。
環境の変化は少なからず子どもにストレスをかけることになります。
そして、確固たる学習計画と勉強法が定まっていなければ、環境を変えても好転する確率は低いものです。
逆に良い面もあります。
環境を変えたことでお子さんのモチベーションが高まった事例は少なからずあります。
新しい友達・先生・ゆったりとしたカリキュラム。これがマッチすれば、転塾・退塾が効を奏したといえるでしょう。
しかし、これらは結果論であって、実際に行動を起こさなければ、どっちに転ぶかは分かりません。
なぜなら、どんなに評判のよい塾でも向き・不向きはお子さんによって大きく異なるからです。
では、この重要な判断をどのような視点で行えばよいのか、その手順についてご紹介します。
1、まずお子さんは何と言っているのか
お子さんが今の環境で続けたいと言っている場合、転塾・退塾は望ましくありません。
受験本番まで走り続けなければいけないのはお子さんだからです。
お子さんの気持ちを最優先にして考える必要があります。
この場合、学習計画と勉強法の確立と本人のモチベーションアップが必要不可欠となります。
一方、お子さんがどっちでも良いもしくは変わってもよいと言った場合。
これは、まず各塾の体験からスタートしましょう。
勉強がストップすることに不安を感じるかもしれませんが、後述しますように、1か月の遅れは後からいくらでもリカバリーが効きます。
考えてもみましょう。5年生であれば、残り15か月余り。4年生であれば、残り27か月余り。
1か月の遅れが左右するようであれば、中学受験はみな4年2月からノンストップでやり続けた子しか勝てないという話になります。
そんなことはありません。
むしろ、お子さんが行きたがっていない環境を無理に継続させ、ずるずる行く方が後々リカバリーが効かなくなってきます。
息切れも起こします。
何事も決断するなら、早い段階の方がよいのです。
したがって、納得いくまで体験を受け続け、ご本人が納得できる学習環境を導きましょう。
2、ご本人のモチベーションはどうなのか。
大抵のケース、成績不振の場合は本人のモチベーションも低いことが往々にしてあります。
まだ頑張れそうなのか、もう無理そうなのか。これはしっかりと対話で進めていかなければなりません。
モチベーションが低く、毎日の基礎学習もままならない場合は、個別対応が必要になります。
これは集団では限界があります。
指導者がメンター的存在になってあげる必要があるからです。
また、こうした選択肢もありです。
思い切って、一定の期間、受験勉強自体をお休みする。
実は私がそこそこ使う手です。
過去に10組以上はこの手を使ってきましたが、全員が復学し、難関校に進学したケースも多々ありました。
短いケースだと1日、長いケースだと1か月。
勉強から一切離れて、自由な時間(生活上のルールは厳しく設定します)を与える。
これは、人間の「いままで頑張ってきたことから離れて、好きなことをやっていると、このままでよいのだろうか」と思い始める心理を用いています。
何事も急がば回れ。繰り返しになりますが、1か月の遅れは大したことはありません。
やる気のない状態で15か月を過ごすのと、やる気を高めた状態で14か月を過ごすのではどちらの方がよいでしょうかという話です。
毎年、この時期は私もいろいろと考えさせられます。
こうしたお子さんたちを1組でも多く救いたい、それに特化したプラットフォームを来年度より開始するので、現プランでの募集は今年度いっぱいかなと思い始めている、今日この頃です。