こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。
入試対応・新学年最初の1週間を終え、ようやく平穏な日々が戻ってきつつあります。あとは新年度1回目の各テスト分析が大きな仕事でしょうか。
と思いきや、創業3期目にしてはじめて他社さんと仕事を行う可能性が出てまいりました。
コンサルティング・コーチング・家庭教師をサービスとして打ち出している中で、常々考えていたことが「塾で質問しづらい子」や「次の家庭教師の授業までに質問をしたい子」への対応。これを解決できない2年間にもどかしさを常に感じていました。
そこで、ある会社さんからこれを解決するぴったりのサービスの売り込みがあり、明日面談を行う予定となっております。妥結に至りましたら、さらに「家庭学習」にコミットできるサービスが実現できるかと思います。こちらについては進展がありましたら、ブログやHPにて記していきたいと思います。
3期生にもとことん手厚くというスタンスで、稼働してまいります。
さて、本日はティーチングとコーチングについて思うところを記したいと思います。
私共のコーチングプランが稼働して1か月が経過しようとしていますが、お子さんに小さな変化が見られたとの声を頂いております。
この実際をお示ししながら、ティーチングとコーチングにはどのような違いがあるのかについて、ご説明いたします。
ティーチングとは読んで字のごとく、「教える」という行為を意味します。
子どもよりも長く生きている大人や指導者の方が多くの知識を持っているので、それを一方通行型で「教える」という行為です。
計算のやり方や公式、漢字や社会の知識など基礎学習の指導で用いられることが多い手法です。
一方、コーチングとは双方向のコミュニケーションにより、自らが答えを導き出せるようにサポートしていく指導方法を意味します。つまり、知識ややり方の押し付けはしません。
これは読解の学習や算数の一行問題・大問などの指導で用いられるべき手法です。
では、次に2つのメリットとデメリットを記していきましょう。
①ティーチング
メリット:どうしてもインプットが必要な計算のやり方や知識は素早く伝えることができる。
授業の時間には限りがあります。そして、中学受験で必要な漢字や社会の知識は膨大です。いちいち考えさせていてはいくら時間があっても足りません。したがって、こうした基礎学習では一方通行型のコミュニケーションを中心に進めていきます。
デメリット:学習者が考えなくなる。
当然受動的なコミュニケーションなので、学習者は聞いているだけとなります。
これを読解問題や少し思考力が必要な問題で行ってしまったら、どうでしょう。
もうその問題は2度と出題されることはありません。教え込みの指導で行ってしまったら、また少しひねられた問題が出たときに太刀打ちができなくなってしまいます。これはコーチングで対応すべき領域の問題なのです。
②コーチング
メリット:双方向のコミュニケーションなので、考えることを要求される。そして、気づきを与えられる。
例えば、
大人:「志望校までまだ偏差値が10足りないね」
子ども:「うん」
大人:「特に算数が足を引っ張っているね」
子ども:「うん」
大人:「じゃあ、今日から算数の図形を追加しないとね。」
子ども:「うん。やる。」
これはティーチングの手法となります。大人の方が分析力は高いので、出た結果をもとに今後の指針を一方通行型で示しています。ですが、これでは子どもは動きません。なぜなら、苦手科目かつ押し付けの勉強となってしまうからです。
これをコーチングで表すなら、下記のようになります。
大人:「志望校までの距離感はどうかな?」
子ども:「少し足りないと思う」
大人:「じゃあ、色々と課題はあると思うけど、何を頑張れば近づくかな?」
子ども:「やっぱり、算数かな。」
大人:「そうだね。自己分析できててえらいね。算数の特に何の分野に課題があるかな?」
子ども:「うーん。図形かな。」
大人:「じゃあ、図形の何の教材をやればよさそうかな。」
子ども:「夏期講習のテキストの間違いが多かったから、これをやってみる。」
大人:「よし、じゃあ週間学習計画に落とし込んでみよう。やると決めた○○君は強いから、絶対成績につながるよ」
これがコーチングの手法の一端となります。上記ティーチングと最終的なゴールは同じですが、問題は学習者の心がどうかということです。どちらの方がやる気になるかということは言わずもがな。
自分で考えて出した結論や答えには責任が伴います。押し付けられたことには責任が伴いません。
これがコーチングの最大のメリットであると考えます。
デメリット:答えを引き出す側と導かれる側の信頼関係が重要。
コーチングで最もネックな点が双方の信頼感です。
信頼のおけない人から導かれても「やろう」とはなりません。
したがって、日ごろからお子さんに受容と共感を示し、プロセスをほめてあげるということが必要となります。
私も人間力の塊ではありませんから、コーチングの中で雑談をとにかく傾聴し、共感を示し、毎日のlineノート提出でほめ、アドバイスを与えることにより、信頼を勝ち得る努力を行っていきます。
まだまだ道半ばですが、これを受験終了までサポートすることにより、合格そして生涯学習の伴走者であり続けていきたいと考えています。
人の心を動かすということは本当に難しいです。そして、人の心を動かすということ自体が傲慢な態度であるとも感じています。お子さんと同じ目線に立ち、ティーチングではなくコーチングにより、一人でもお子さんがやる気になれば幸甚です。
しかし、時にはテスト前など差し迫っている際にはティーチングも必要。冒頭記した他社さんとのサービスを検討しているのはそうした意味合いも含んでいます。
ティーチングとコーチングの使い分け。これをうまく行っていくことが2023年タカベルの第一の事業課題と考えています。
2023年02月12日 14:27