中学受験コンサルティング タカベル

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効果的な読解学習法

こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
 
さて、前々回の記事において、読解学習は一日一題ではなく、一週間に一題を毎日取り組むことが重要であると述べました。
今回は読解家庭学習を具体的にどのように取り組むべきかについて記していきたいと思います。読解は疎かにされがちな領域です。したがって、本文の内容が易しいときは感覚で解けていても、本文の内容が抽象かつ難解になってくると、太刀打ちができなくなってくるご家庭が非常に多いのが現状です。
 
そこで、苦手な子や文章を読むことがアレルギーと感じる子は設問を解かせることにフォーカスをあててはいけません。まずは、本文をじっくりと読む習慣を身につけるために、精読に取り組むべきです。
 
まず、毎日のタスクの中に必ず音読を盛り込みます。毎日音読をさせることで、読むスピードが向上してきます。初日にやった音読と7日目にやった音読ではスピードがかなり変わってくると思います。すると、そこが褒めるポイントにもつながるわけです。また、読解の音読にはまだまだメリットがあります。
 
それは、意味の分からない言葉や読み方が曖昧な言葉をあぶりだせるという点です。音読をしているときに、読み方が怪しいものや、つっかえてしまった言葉は十中八九、意味を理解していない言葉か知らない言葉です。これを辞書で調べ、語彙ノートにまとめる作業を行いましょう。この作業を積み重ねていき、6年生になったときにオリジナル辞典ができていれば最高ですね。
最初の2日間は音読・語彙ノート・質問対話形式により、精読を進めていきます。つまり、語彙ノートをまとめる時以外は一切、ペンを持たせません。
 
2日間で文章を2つに区切り、初日は前半の精読。2日目は後半の精読を行っていきます。質問対話形式は、文章に書かれている内容を事細かく質問をしていきます。
「主語、述語は?」
「太陽がどうなった?」
「接続語はどれ?」
「前の文と後の文はどちらが大切?どうしてそう思った?」
「この段落で一番重要な部分はどれかな?」
「そのって何を示している?」などなど…
 
線を引いてテストを解いてこないという相談が多いのですが、当たり前です。練習でやる癖がみについていない人は本番ではできるようになりません。そして、国語が苦手な子の大半がどういう箇所に線を引けばよいのか、理解できていません。また、読むことに対しても慣れていません。
 
であるからこそ、音読と質問対話形式によって第一段階として、読むことに対する抵抗を取り除き、線を引くポイントを一緒になって確認をすることが重要なのです。
 
そして、三日目に2日間の質問対話形式の内容を確認する意味で、音読を終えた後に線引きを自力で行わせます。
 
レベル感にもよります。1週間に1題と記しましたが、これは本当に読むことに対して、拒否感を感じている子向けの勉強スタイルです。読むことは好きだけど、読解は嫌いという子は学習スピードを速めても構いません。いずれにしても、国語の読解はいきなり結果には出ません。いきなり結果につながるという勉強法を提唱している理論は、国語を公式に当てはめて解かせようとしています。
 
しかし、本番の国語は選択肢すら難解で、テクニックだけで解けるほど甘くはありません。まずは、書かれてある内容をじっくりと読み込むトレーニング。これにつきます。
2021年03月24日 09:00

言語学習のポイントは

こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
 
最近のマイブームはラーメン屋巡り。味も勿論なのですが、雰囲気を観察するようにしています。よいラーメン屋は味に限らず、社員・アルバイト教育も行き届いています。店主がいなくても、元気のいい接客・きめ細かいサービスが行われています。一方、店主がいないときはサービスが悪くなるラーメン屋も数多くあります。これこそが「教育」と「人柄」なんだなとしみじみ感じています。店主がいい人柄だと、社員やアルバイトは「いいお店」にしようと一生懸命働きます。親身に教育してくれたら、「この人のために頑張ろう」となります。やはり、教育は人が行うもの。AIにはとってかわることのできない分野であることをつくづく感じます。
 
さて、今回は中学受験における言語学習のポイントについて記したいと思います。前回、国語の力を上げるためには漢字や言葉などの語彙力を強化することが必要であると記しました。言葉学習において必要なポイントは映像化です。
 
四字熟語や慣用句を覚えることは苦痛です。「一石二鳥」や「百聞は一見にしかず」など、数字が入り混じるものも数多く存在します。こうしたときに有効な手立てが映像化です。
 
例えば、男の子は学校で習っていないにもかかわらず、勝手に戦国武将や歴史に関する知識を蓄えています。これはどこで興味を持ち、覚えてくるのでしょうか。それはずばり、学習漫画です。映像の中から興味を持ち、大人以上の知識を身につけるのです。これを応用すると、言語学習でも映像化が有効であると考えます。前述の「一石二鳥」をGoogle画像で検索すると、一つの石を投げた少年が二匹の鳥を追い払っているイラストがヒットします。
 
子どもに学習を促すとき、知識のインプットだけでは頭に入りませんし、モチベーションは低下するばかりです。しかし、ここでも「子ども目線」に立ってイメージしやすい次元にまで落とし込んで指導することが重要なのです。
 
大人は年齢を重ねているため、自分自身の小学校時代の記憶は薄いです。なので、記憶の新しい大学受験の時に行った勉強法で指導しがちです。まさか、大学受験の勉強でいちいち画像検索などは行っていなかったでしょう。私であれば、赤シートで隠しながら、参考書で勉強していました。しかし、小学生に同じ勉強法を要求しても短期記憶にしかつながりません。ましてや、勉強が苦手な子であればなおさらです。子ども目線にへりくだることが重要です。
 
知識のインプットをさせたければ、映像化。これに尽きます!
 
2021年03月20日 14:00

効果的な漢字学習

こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
花粉症が本当につらいです…おすすめの食事などあれば、教えてください(笑)
 
さて、成績低迷からの脱却を図るためには、「子ども目線」に立つことが重要であると記してきました。算数では、基本問題の定着を図るために、「なぜ?」「どうして?」と解法を説明させることやそうした指導を行うこと、抽象概念ではなく、具体概念で指導する重要性を述べてきました。
 
今回は「子ども目線」での漢字学習について記したいと思います。
国語力といわれると、読解をイメージされる方も多いと思いますが、これは大きな間違いです。日本語は漢字が積み重なり、熟語となります。熟語と品詞が積み重なり、文となります。文が積み重なり、文章となります。入口の漢字が理解できないと、文章を読むことはできません。
 
英語に照らし合わせると、
漢字→アルファベット
熟語→単語
文→文法(this is a pen など)
文章→長文読解
みなさんも、大学受験の時は必死に単語帳を覚えたのではないでしょうか。
アルファベットや単語を知らなければ、長文読解を解くことは不可能。
 
国語も同じです。
漢字や熟語を知らなければ、文章を読み解くことは絶対にできません。
そこで、国語力の強化には漢字と熟語は必須アイテムなのです。
しかし、漢字学習は大手塾の授業では扱われません。家庭学習に任せっきりです。なので、漢字学習に苦戦しているご家庭は意外と多いです。
 
では、どのようにして漢字学習を効果的に進めていけばよいのでしょうか。その一端について、ご紹介します。
 
まず、重要なのがここでも「子ども目線」に立つこと。
大人が思っている以上に、子どもは書くことが苦手です。
大人は言葉を知っています。文章を読んだ経験も豊富なので、書くこと対するアレルギーが少ないです。しかし、子どもは言葉を知りません。文章を読んだ経験もまだまだ足りないので、書くことに対するアレルギーがあります。そのような状況で、いきなり30回練習しなさいという指導は乱暴です。
 
そこで大切な学習法が、「音読」と「指書き」です。
子どもは読むことは好きです。そして、読むことで脳が活性化され、学習効果にもつながります。また、音読が上手だと褒めることもできます。まさに、一石二鳥なのです。また、書くことに対する抵抗感を取り除くために、漢字を覚えるまで指で書く練習を繰り返します。こうすることで、30回も書き練習せずとも、スムーズに覚えることができます。
 
この2つの作業を行ったうえで、確認テストの意味合いで本番の書き練習をさせてみてください。この勉強法は30回書かせて練習する学習法よりも、長期の定着につながります。指書き学習法で1か月後に同じ問題を解かせたときの正答率が80パーセントであるのに対し、30回書き練習法では50パーセントしか正答率が確保できませんでした。まさに、長期記憶にも有効なのです。
 
2021年03月20日 09:00

成績下位からの中学受験 逆転合格術⑦

こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
今回は算数学習の最終回として、前述のお子さんに対して行った学習法をご紹介したいと思います。
 
計算、一行問題、新出単元の基本問題を丁寧に行うことの重要性について述べてきました。最終回は新出単元に対する我々のアプローチの実際を記します。
さて、中学受験といえば王道の「つるかめ算」を例に説明しようと思います。このような問題がつるかめ算ですね。
 
「つるとかめが5匹います。足の本数が合わせて14本の時、つるとかめはそれぞれ何匹いますか。」
 
この問題、中学生なら簡単に解けます。なぜなら、方程式を使って解けるからです。つるの足の本数は2本、かめの足の本数は4本。つるの数をa、かめの数をbと置くと、
a+b=5
2a+4b=14
 
連立方程式ですぐに解けます。このような算数を抽象概念といいます。ところが、aとbは架空の数字。小学生には理解できませんし、小学校では教わりません。したがって、方程式を用いることはタブーとされています。
そこで、小学生は面積図という手法を用いて、このつるかめ算を解きます。
 
面積図
 
これに数字を書き入れて、解くという解き方が王道とされています。一見よさそうに思います。ところが、この教え方には苦手な子が陥る重大な落とし穴があります。それは、理解というプロセスがないという点です。機械的に「ここは2」「ここは14」という形で数字を埋めて解こうとします。おそらくこの教え方で行えば、苦手な子でもその場ではほとんどの子が正解するでしょう。ところが、こうしたやり方で行っていくと、いわゆる暗記算数となります。算数を理解するのではなく、覚えるという勉強法になってしまうために、学年が進むにつれて覚える量も積み重なり、算数嫌いとなってしまいます。なにより、理解しなければならない問題に太刀打ちができなくなります。
 
タカベルでは、抽象概念ではなく、具体概念で指導することを意識しています。先ほどのケースであれば、なぜ面積図が誕生したのかというルーツから導入で指導します。こうすることにより、算数が理解しやすくなるだけでなく、暗記算数を防ぐことにつながるためです。これは、近日中に出版予定の書籍に詳しく記してありますので、興味のある方はご一読いただけると幸いです。こうした指導を通じ、偏差値35だったお子さんが60の学校に合格することができました。
 
次回は、国語について記していきたいと思います。
 
 
2021年03月19日 09:00

よい先生とは

さて、一旦逆転合格術シリーズからはなれて、我々が定義する良い先生の特徴を記していきたいと思います。
我々は小学校教員・塾講師・家庭教師の現場経験から、数多くの先生を見てきました。皆さんも小学校から大学まで、さまざまな先生に出会ってきたことと思います。「優しい先生が必ずしもいい先生とは限らない」「自分のことを見てくれる先生がいい先生」この辺りは万人に共通する「いい先生」の定義かと思います。
 
我々は現在、中学受験を生業としています。そうなると、やはり気になる視点が「授業」です。今回は「授業」を視点に我々が思う「いい先生」の定義について説明したいと思います。
 
私が学生時代に勤めていた塾では、定期的に他校舎のベテラン先生が授業を採点しに来るという機会がありました。また、小学校教員時代には定期的に勉強会が開催され、模擬授業を見せ合うという機会がありました。家庭教師時代には様々な指導法を試したことがあります。これらの経験を通じて、授業のうまい先生の定義にはある「共通点」があることがわかりました。
 
それは、「口数の少なさ」です。
 
授業の上手くない先生はまず、口数が多いです。言ってみれば、ワンマンショーです。すべての大学の先生がそうとは言いませんが、大学の授業は比較的こうした授業が多かったように感じます。
 
では、口数が多いとなぜまずいのでしょうか。
 
それは、学習者が「考えなくなる」ためです。知識のインプットや教え込みももちろん、必要です。しかし、そこで得た知識をどのように生かすかが勉強では重要なのです。中学受験でも一問一答形式の問題は少なくなりつつあります。また、センター試験が廃止されたことに伴い、中学受験でも今後はより一層考えを表明する力や資料を分析する問題が多く出題されてくると予想されます。そうしたときに、知識を学んだだけでは太刀打ちができなくなりつつあるのです。
 
ここで試されるのが指導者の力量です。指導者の一番大切な役割は、限られた授業時間の中で「何を教えたか」ではなく、「何を身につけさせたか」が極めて重要なのです。自分だけが満足して教えた気になっていても、学習者がその知識を生かせるようになっていなければ、意味を成しません。
 
口数の多い先生は知識を教えることに一生懸命になっています。口数の少ない先生は「なぜ?」「どうして?」などの質問のシャワーを浴びせ、子どもに答えさせるので、自然と口数が少なくなります。
 
私は教員時代と塾講師時代に自分の授業を撮影し、喋った時間を測っていました。これを減らすことを目標に授業を組み立てていました。
 
そうした理念をタカベルに持ち込み、考えさせる学習指導を徹底しています。人間は考える頭脳を持っているから、人間なのです。
 
今日も考えさせる授業案を考えます。
 
2021年03月18日 21:00

成績下位からの中学受験 逆転合格術⑥

こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
さて、5年生5月で大手塾最下位クラスから逆転合格をとげたお子さんのシリーズも6
回目となりました。簡単にここまでの内容をまとめてみます。
 
① スケジューリング
4年生の内容に一旦立ち返って、復習を行いました。算数と国語に絞りました。
 
② モチベーション
やるべきタスクを丁寧にこなさなかった時だけ、叱る。ご家庭とこの点を共有しました

 
③ 算数
計算、一行問題、基本問題を時間を気にせず、途中式や何を求めたのかを書かせる
など、丁寧に取り組ませました。
 
さて、今回は続きです。この算数学習もひと手間を加えることで、より定着が図られて
きます。
 
それは、「解法を説明させる」ことです。
 
わかっているかどうか、理解できているかどうかを確認する手段は〇付けではありま
せん。なぜなら、何度かその問題を解いたことがある場合、答えを覚えてしまっている
可能性があるからです。子どもの記憶力を侮ってはいけません。そこで、解法を説明
させて理解できているかを確認しましょう。
 
しかし、すべての問題の解法を確認させることはしません。時間がいくらあっても足り
ません。計算問題や公式を使って解く単純な問題(円の面積などの問題)は説明させ
る必要はありません。前記事に載せたような丁寧に取り組ませれば合格とします。
このような問題は解法を説明させることを意識しましょう。
 
「さとしくんとひかりちゃんの持っているお金の合計は4000円です。さとしくんがひか
りちゃんの4倍のお金を持っているとき、それぞれの持っているお金はいくらになりま
すか。」
 
算数が苦手な子は4000÷5と機械的に処理を行おうとします。しかし、これでは算
数の勉強をしていることにはなりません。なぜなら、理解というプロセスがそこにはな
いからです。算数で重要なことは、「なぜ、5という数字を使ったのか」「なぜ
、4000÷5になったのか」という点が学習には大切なのです。暗記算数になっている
と、間違いなく成績は伸びません。
 
タカベルの学習指導は、この「なぜ」を徹底的に突き詰めます。指導者が一方的に話
している授業は知識のインプットでしかありません。指導者は授業内の口数が少ない
方が、よい授業なのです。徹底的に答えさせることに拘らせたアウトプット型授業が我
々の特徴です。
次回は、算数の最終号を記したいと思います。
2021年03月18日 20:00

Aクラスからの逆転合格術⑤

さて、前回は計算に関しての取り組み方を記しました。

今回は、一行問題や基本問題に対して我々が行ったアプローチを記したいと思います。

 

「40mおきに8m間隔で木を植えます。木の本数は何本になりますか。」

こういう問題があったとします。中学受験では初歩的な植木算の問題ですね。このお子さんは以下のように機械的に解いていました。

40÷8+1=6

 

これ、算数でありがちな「やってはいけない」勉強法です。

なぜなら、そこに理解というプロセスが一切ないからです。

算数が苦手な子にかぎり、このように解いています。この単元だけがテスト範囲なら対応できます。しかし、この学習をした半年後は間違いなく忘れています。これが、マンスリーテストや月例テストではできるけど、組み分けテストになるとできなくなるという現象につながるのです。

では、どうすればよいか。ひと手間を加えるだけで、学習が改善します。

 

40÷8=5…間の数

5+1=6…木の数

 

このように、日ごろから「自分は1つの式で何を求めたのか?」を書かせ、意識させることが算数の苦手な子においてはとても重要です。2つの式が入り混じるから、嫌いになるのです。一つ求める→何を求めたかの確認→次の式へ移る

このように順序だてて式を書くことが重要です。偏差値35から2年間で60の学校に合格したこのお子さんも、最初の2か月は計算と1行問題・基本問題に特化しました。特に、1行問題・基本問題は毎回のようにノートをチェックし、こうしたプロセスが丁寧に書かれてあるかどうかを厳しくチェックしました。機械的にやったものは忘れるのも早いです。まして、学年が上がるにつれ、インプットしなければならない量が増えてきます。前学年の取りこぼしが多いのは「暗記算数」となっているからです。

 

次回は、もうひと手間加えて、算数の定着を図る勉強法を紹介します。
2021年03月18日 09:00

Aクラスからの逆転合格術④

こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルです。

さて、前回の記事で算数に特化したスケジューリングを組んだとお伝えしました。5年生で宿題を度外視し、4年生のものを扱うことは相当勇気のいる決断でした。しかし、これが功を奏し、5年生5月の時点で偏差値35の子が四谷大塚偏差値60の学校に逆転合格を果たしたわけです。

まず、このお子さんを受け持った時に抱いた印象はとにかく「真面目」

 

与えられたタスクはきっちりこなしますし、なんとかしたいという想いもある。ところが、真面目が故に「できない自分」「周りと比較して、下位にいる自分」にかなり思いつめていました。そこで、自信を回復させることを主眼に置き、前学年のものを丁寧に扱う戦略へと切り替えました。

さて、算数に特化した最初の2か月。与えたタスクは、計算・一行問題・4年生の復習・5年生の新出単元の基本問題に絞りました。与えられたタスクが難しく、自信を失っていたわけで、まずは成功体験を多く積ませたいと考えました。その代わり、本人にもご家庭にも約束をさせたことが一つだけあります。それは、「とにかく丁寧にこなすこと」

 

点数やクラスはその時の状況によって、すぐに上げることは難しいです。ところが、丁寧にこなすことは能力関係なく、だれにでもできることです。とにかくこれを徹底的に約束させ、指導していきました。

なぜ、そう感じたのか。最初の指導時、計算問題を解く様子を見ていました。

15×2+6÷3という問題があったとします。苦手な子は元来、以下のように解かなければいけません。

 

15×2+6÷3

 

①…15×2=30

②…6÷3=2

③…30+2=32

 

元来はこのように丁寧に解く必要があります。なぜなら、成績が低迷している子は計算問題、基本問題の失点が非常に多いからです。このお子さんはすべて、頭で処理を行っていました。まずは、途中式を必ず書くように徹底反復で指導をしました。これが功を奏したのか、2か月後には計算ミスが全くなくなり、テストでの失点もなくなりました。次回は、一行問題の指導について記します。

 

中学受験は6~6割5分の合格点をとる戦いです。難しい問題は解ける必要がありません。基本的な問題でいかに失点しないかの戦いです。練習で120パーセントの力で臨まなければ、本番で100パーセントの力は出せません。計算と基本問題、これをとにかく丁寧に行わせました。スピードは後からついてきます。大手塾では量をやらされるため、スピードがないとすべてをこなすことができないように教材ができています。しかし、これが落とし穴なのです。千里の道も一歩から、苦手な子は作業の丁寧さを追求しましょう。
2021年03月17日 09:00

Aクラスからの逆転合格術③

こんにちは。
中学受験コンサルティングタカベルです。

今回は、具体的にどうスケジューリングをして、再生させたかの一端をお示しします。再度、このご家庭の申し込み当時の現状を記します。

・小学4年生から大手塾に通塾。

・小学4年生後半から最下位クラスになり、5年生の4月までキープ。

・5年生5月からタカベルに申し込み。

前回と前々回で「モチベーション」と「スケジューリング」を重視したと記しました。加えて、5年生の段階では算数と国語が重要であることも記しました。今回からはより踏み込んで、記していきたいと思います。

さて、このお子さんは特に算数に対して抵抗感を抱えていました。ところが、中学受験において、算数の強化なくして成功はありません。

そこで、算数のスケジューリングについて慎重に判断を行いました。5年生の5月であること、後半になってくると「比」が入ってくることを考え、4年生の復習を重点的にスケジューリングに盛り込みました。

4年生の内容であれば積み残しがあるとはいえ、そこまで難解ではないため、取り組むハードルは低くなります。2か月間、4年生の算数の復習と5年生で与えられる日々の計算・一行問題をじっくりと取り組みました。モチベーションともリンクしますが、子どもの学習において大切なことは、「成功体験」をいかにして感じさせられるか。自信もなく、学習に対してモチベーションが湧かない子はできる問題を一つ一つこなしていき、自分の力で解けるようになったと実感させてあげること。

これが功を奏したのか、2か月が経過すると、4年生の積み残しもなくなり、5年生の授業内容にもついていけるようになりました。何よりも大きいのは、子どもの自己肯定感が回復してきたこと。今振り返ると、一番この点が大きかったと思います。

中学受験は「急がば回れ」。クラスが気になる気持ちもわかります。周りの子と比較してしまい、焦る気持ちも理解できます。しかし、現状に苦しんでいるのであれば、アプローチを変えなければなりません。

適切な学習スケジューリングをもとに、モチベーションを高める。学習の成功にはこれにつきます。
2021年03月16日 09:00

Aクラスからの逆転合格術②

こんにちは。中学受験コンサルティング タカベルです。
昨日に続き、我々が実際に担当した大手塾Aクラスから逆転合格を果たした例をもとに、その秘訣を記したいと思います。
前回は「モチベーション」が大切であると記しましたね。我々が「モチベーション」と同じくらい、中学受験において重視していることがあります。
それは、「スケジューリング」です。
スケジューリングとは適切な学習計画を指します。今回はその一端について、お示しできればと思います。
4・5年生であればなおさらですが、理科・社会が得点源となっている中学受験は大変危険です。6年生の後半から、どの受験生もこの2科目には力を注いできます。すると、今までは偏差値が良かったこの2科目も上がらないどころか、周りがレベルアップするので下がります。そして、算数と国語は6年生後半からはもう伸びません。つまり、受験の全体戦略を考えると、4・5年生で算数・国語に苦手を抱えていると、かなり危ない中学受験となります。
しかし、多くのご家庭はクラスに目移りします。たしかに、マンスリーテストや月例テストで結果を残すだけであれば、理科と社会に注力したほうがクラスは維持しやすいです。なぜなら、暗記科目であるため、一夜漬けでも点数が取れてしまうからです。タカベルが短期的にクラスにこだわってはいけないという理由はここにあります。上げやすい科目だけに注力し、本当に上げなければならない科目を見失う危険性があるからです。
このご家庭、5年生5月の偏差値は35。しかし、最終的には偏差値55の学校に合格を遂げました。もちろん、4科目受験でです。そして、5年生の10月まではほとんど理科と社会に取り組んでいません。最初の半年はとにかく、算数と国語に特化したスケジューリングを組みました。
受験戦略は短期的な視点に陥ると、必ず失敗します。長期的な視野を持ち、今必要なことにパワーを最大限投下することが極めて重要です。
繰り返します、クラスにこだわってはいけません。クラスは必ず後からついてきます。次回は、より踏み込んだスケジューリングについて記したいと思います。
 
2021年03月14日 09:00