6年生学習指導から見た中学受験に必要な要素①
こんにちは。中学受験コンサルティングタカベルです。
12月も日付が二けたになってまいりました。1月入試を見据えると、6年生は残り1か月。
それ以外の学年は、新学年に向けた1月の組み分けテスト、入塾準備と差し迫ってまいりました。
タカベルでも多くの6年生を指導しています。週に複数曜日を頂いているご家庭には、1日は過去問演習、1日は弱点補強にむけたピンポイントの教材演習と、追い込みのサポートをさせていただいております。
本日は、こうした6年生の演習授業を通じて、私共が6年生になるまでにやっておいた方がいいと思う事柄を優先順位付けして、記してみたいと思います。こちらはあくまでも、算国理社の成績がほぼ同じというお子さんを想定していますので、優先順位は人それぞれとご認識いただけますと幸いです。
優先順位5位 実験教室・体験型プログラム等には積極的に参加させましょう。
理科離れという言葉が言われて久しいですが、理科離れであるからこそ、4年生くらいまでは実験教室等に積極的に顔を出しましょう。
算数はできるのに、理科はできない。4科目の中で、理科だけできない。こうしたお子さんをよく目にします。よくよく聞いてみると、興味・関心に課題があると考えます。「好きこそものの上手慣れ」という言葉がありますが、男の子は歴史が強く、女の子は物語文が強い傾向にあるのは、まさにこれです。好きになったからです。おそらく、前者は歴史漫画、後者はドラマ等がきっかけなのではないかと考えます。
なので、理科も好きにさせるきっかけを与えましょう。塾の授業時間内に実験を行うことは当然できませんから、ここは興味・関心を引き付けるために、投資をすべきです。理科実験教室というと、どうしても物理・化学のイメージがありますが、昨今は4分野すべてに対応している教室もあります。座学で興味・関心を引き付けるにはどうしても限界があります。ぜひ、ご検討ください。
優先順位4位 極力、漢字で覚えましょう。
前提が4科目の成績が同じという設定ですので、苦手科目は特にないというケースで考えています。そうした際に、極力理社は早いうちから漢字で覚えましょう。塾によっては、5年生まではひらがなでも可としている塾もありますが、6年生になったときに本当に楽です。6年生は前期に算数・国語をかため、後期に理社の積み上げと4科目過去問演習で仕上げていくのが必勝パターンであると考えます。そうした際に、5年生のうちから、知識分野を漢字で書けておくことは大変重要です。漢字を書けない・用語を覚えていないだと、漢字が書ける子に比べて、単純に2倍の学習量が必要になります。これは、後期に理社を積み上げていくときの高いハードルとなってしまいます。極力、漢字で覚えましょう。
優先順位3位 目的を決めて、計算学習を行いましょう。
6年生を指導していて気になるのが、計算の精度。当然人間が行うことですから、どうしてもヒューマンエラーが起きます。
しかし、闇雲に1日1ページだらだらと解いているだけでは計算力は向上しません。そこで、おすすめなのが目的を1つ決めること。
例えば、精度に課題がある子であれば、「時間はいくらかけてもよいから、満点を目指すこと」「時間はいくらかけてもよいから、筆算をきれいに書くこと」
速度に課題がある子であれば、「昨日は15分かかったから、精度は問わないので今日は14分で解ききること」等…
1日1つ、その子の課題に応じた目標を定めます。時には、正答率勝負やスピード勝負と銘打って、親子で競争してみるとモチベーションが上がるかもしれませんね。入試で大問1の失点はほとんどの確率で、「否」を意味します。しかし、学校によっては見直す時間がなかったり、丁寧に解いている暇がない学校も多々あります。6年生の後半になるまでに、精度重視でスピードも条件づけたトレーニングができるようになっておくことが重要です。
優先順位2位 どの科目でも解法説明を
特に算数や理科の物理・化学は上記に該当しますが、必ずタスクをやった後に解法説明をさせることが効果的です。塾でやった問題がそっくりそのまま出ることもありますが、そのようなケースは稀です。よく見られる傾向が暗記算数になっているケース。これでは、目指せる学校の幅が狭まってしまいます。聞かれていることは何か。そのために、なぜ、1本目の式を立てたのか。1本目の式で出した数字は何を意味しているのか?
一方的に説明だけさせるのではなく、質問対話形式で引き出してあげるとよいかもしれませんね。これに関連して、式の隣に自分が今何を出したのかということを書かせることを習慣づけるだけでも大きく変わってきます。
指導して感じるのが、考えているときにペンが止まる子は頭の中で考えようとしてしまい、自分が立てた式が何だったのかを忘れてしまう傾向にあります。思考を整理する意味でも必ず、式のとなりに何を出したのかを書かせる癖をつけましょう。仕事を覚えるときにメモをとるのと似ているかもしれませんね。
ここまで、6年生を指導しているなかで、私共なりに学習の留意点の優先順位2~5位を記してきました。1位はこれだけで相当なボリュームとなりますため、次号にてご紹介いたします。
受験生、今が一番つらいかもしれません。ですが、どういう結果であれ、頑張ったことは絶対に報われます。自分を信じて、残りの期間走り抜けましょう。