中学受験コンサルティング タカベル

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中学受験個別最適化を考える③

こんにちは。

 中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

さて、複数回にわたり中学受験「個別最適化」を考えています。

 

一番の想いである「後悔しないために、個別最適化」という理念を皆さんに広げていきたいからであります。

 

第1回は宿題について、第2回は科目の優先順位について記してまいりました。

 

第3回はモチベーションについて。

 

これが究極の個別最適化であると考えています。

 

私共が今まで担当してきたケースでは、モチベーションが高いお子さんならば、家庭学習のやり方を変えれば自ずとコンサルティングのみで成績アップにつなげることができました。

 

しかし、モチベーションが低いお子さんはいくら家庭学習のやり方を変えても現状打破が難しいケースが多いので、3期前からコーチングを導入し、お子さんが納得した状態で目標に向かって努力することを促すサービスを展開しています。

 

結局、やるのはお子さんです。

 

やるお子さんのパワーがないと、いくら大人が手を回しても、現状打破には繋がってきません。

 

お子さんのモチベーションを高めることこそが、究極の個別最適化であり、糸口になる。

 

しかし、物事はそう単純ではありません。

 

なぜなら、お子さんの深層心理まで踏み込み、お子さんの行動を促していかなければならないので、ものすごく粘り強い対応が必要になってきます。

 

折角やる気になっていても、「なんでまだやってないの!?」の一言で、カムバックにさらなる時間を要する。こんな経験も多いかと思います。

 

親御さんの悩みが十人十色であれば、お子さんの悩みも十人十色です。

 

「周りの子は遊んでるのに…」

「頑張ってるのに、成績が上がらない…」

「学校で嫌なことがある…」

「塾の雰囲気が怖い…」

「明日から頑張るから、今日は休みたい…」

「合格に向けて自信が持てない…」

「兄弟に勉強を邪魔される…」

「ほめてもらえない…」

「直したいのだけど、すぐ気が散ってしまう…」

「習い事をやめたくない…」

 

十人十色と書いたので、10個ほど挙げましたが、本当はもっともっとあるはずです。

 

こういう多くの悩みがある状態で「やりなさい」と言ってしまうと、中学受験どころか、親子関係にも影響することになります。

 

そこで、「ある程度」の決定権をお子さんに持たせるというスタンスは重要です。

 

かなり極端な例ですが、目標設定一つをとっても、

 

「あなたは絶対に〇〇中学進学だからね」と、与えられた目標よりも、「あの先輩のようになりたいから、〇〇中学に行きたい」と自分で設定した目標の方が当然頑張れるわけです。

 

家庭学習一つをとっても、工夫はできます。

 

一部のお子さんを除き、今日やるべきことを可視化することは難しいです。

 

したがって、やるべきことはある程度示す。

 

一方でやる順番については、国語優先であとは好きにカスタマイズしてよいよ。

 

 

等と、裁量を持たせることは重要かもしれません。

 

そして、1日の目標設定をお子さんに立てさせて、宣言させる。そのフィードバックを1日1ほめを意識して、行ってあげる。

 

今日の目標は「筆算をサボらないこと」とお子さんが立てた場合、少々気になる他の要素(字が汚い等)は排除して考えてあげる。

 

宿題も優先順位付けも目標設定も、あれもこれも状態から脱却することが大切です。

 

長くなりましたが、成績不振に苦しむお子さんのキーワードはとにかく「個別最適化」です。

 

宿題もお子さんのペースで、クラスもお子さんのペースで、1日の優先順位はお子さんの成績で、接し方もお子さんの性格や状態を見て進めていくこと。もしくは、親御さんや指導者がそういう視点を常に持っておくことが「個別最適化」につながると信じて、毎日の業務を遂行しています。

2025年06月21日 20:59

合不合の戦術と心構え

こんにちは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

来週は第2回の合不合判定テスト。

 

夏休み前の立ち位置をはかる絶好の機会です。頑張っていきましょう。

 

臨むにあたっての戦術を記しておきます。

 

第一条:このテストの結果で何かが決まるわけではない。

 

当たり前ですが、このテストの結果で何かが決まるわけではありません。

昨年のケースでは、12月第6回の合不合の偏差値が43であったにもかかわらず、偏差値58の学校に合格したケースもありました。

現時点での合格確率が30%でも、80%でも合否は決まりません。

 

第二条:あらゆる面で練習の場。

 

中学校で受けるのも練習。合不合という未知のテストであることも練習。

そして、戦術を実行してくることも練習。私は特にこの点を重視します。

 

後述しますが、模試や過去問を攻略するには戦術が必要です。1科目1つ、「これをやってくる」という約束ごとを決めるとよいかと思います。

 

例えば、算数は大問1と2を2回解いてくる。国語は時間配分に気を付けるなど。

 

1回のテストで1つ約束事を決めると、12月にはこれら約束事をおのずと実践できるようになります。

 

第三条:テストは健康診断。

 

この視点をとにかく重要視してほしいと思います。

テストは健康診断。受けることで、悪い病気がないかをチェックし、それに対する手立てを考える。

テストも同様。受けて、課題を発見し、それを学習計画に落とし込む。

そのためのテストであると、お子さんにも伝えられると最高です。

 

この3つを心構えとしてお伝えをして、送り出してあげましょう。

 

最後に、各科目の戦術をまとめておくので、ご参考になれば幸いです。(偏差値50を想定、昨年の問題形式で記します)

 

~算数~

 

・大問1と2はじっくり丁寧に→序盤だが、こここそ焦らない。偏差値50近辺の戦いはここの失点で差がつく。

 

・大問3・4・5・7・8については(1)をまずはさばいていく。

 

・大問6以外の(2)は(1)の条件を使うことを意識する。大問6の各設問が独立している系はやや難しい。

 

・大問7・8の(2)以降は深追いせず、大問1と2の解き直しに充てる。

 

~国語~

 

・組み分けと異なり、漢字と言葉が最後についているので、注意。

 

・漢字と言葉5~6分。物語と論説で得意な方から解き、1題22分。28分が経過していたら、途中でももう片方の題材に。

 

・抜き出し問題は深追いしない。キーワードで場所にあたりを付け、記載がなかったらすぐあきらめる。コスパとタイパが悪い。

 

・記述はブランクにしない。(文中の言葉でも十分に途中点がある)

 

・止はね・はらいには気を付けて。

 

~理・社~

 

・漢字指定でなければ、欲張らない。

 

・社会はリード文はすべて読まない。

 

・正しいものか正しくないものかをよく読む。

 

・理科は生物・地学から着手。

 

・社会の表とグラフや地形図は後回しが吉。

 

・2択で迷ったら、違うと思う選択肢をとりあえず消しておき、即決しない。一回飛ばす。

 

上記のうち、各科目1つずつでも意識して臨めれば、結果如何にかかわらず、受けた価値があります。

 

※今後、メディア出演が予定されており、問い合わせが増えております。プランによっては6年生を中心に早めに閉じることもありますので、お早めに下記よりお申し込みください。

 
2025年06月21日 20:56

中学受験個別最適化を考える②

こんにちは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

さて、前回から複数回にわたり、中学受験「個別最適化」を考えています。

一番の想いである「後悔しないために、個別最適化」という理念を皆さんに広げていきたいからであります。

 

第2回は科目の優先順位について。

 

昨今の中学受験を過ごすご家庭はあれもこれもとまさにお腹いっぱいの状態に陥っています。

 

これを改善するために、私共は学年・成績を踏まえて、1日のタスクの優先順位をつけて、ご提案をしています。

 

前回の宿題号でも記しましたが、算数偏差値60国語偏差値40のお子さんと、算数偏差値40国語偏差値60のお子さんが同じ宿題・同じ優先順位で良いわけがないからです。

 

しかし、何が何でも算数が重要という情報が出回り、まずは算数をやらせようとするケースも少なくありません。

 

誤解のないように記すと、算数が重要であることに全く異論はありません。

 

ところが、入試の配点は算数も国語も同様。

 

2科目受験の場合、算数がいくら得意でも国語がかなり足を引っ張るようでは、事実上諦めなければなりません。

 

したがって、算数偏差値60国語偏差値40のお子さんが取るべき戦略は、算数の応用問題を優先順位1位にもってくるのではなく、国語の読解に対する家庭学習を1日15分でも行うことの方が喫緊の課題なわけです。(算数1科目受験の場合は、ご放念ください。)

 

 もちろん得意なことを極めるという視点を否定しているわけではありません。どんどんと取り組むべきでしょう。しかし、全てのタスクが終わった後のご褒美的な位置づけにしておかなければ、成績アップに寄与する度合いは下がりますということです。

 

なぜなら、シンプルに偏差値60の科目を上げるよりも、40の科目を上げる方が簡単だからです。

 

1日のタスクを行う順番にまで拘る。

 

やや暑苦しい提案ですが、これも「個別最適化」につながると信じ、今日もコンサルティング・コーチングに邁進してまいります。

 

 

 

メディア出演を記念し、必見のサービスを近々先行配信の予定です。ご興味のある方はご登録をお待ちしております。

 

 
2025年06月20日 17:48

中学受験個別最適化を考える①

こんにちは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

 

さて、本日から複数回にわたり、中学受験「個別最適化」を考えていきたいと思います。

 

第1回は塾の宿題について。

 

現在、大手塾で成績低迷に苦しんでいるご家庭は、この宿題について少し疑問を持つ必要があるという視点を投げかけます。

 

クラスの中には国語は得意だが算数を苦手とするお子さんもいれば、その逆も然り。

そして、志望校は十人十色。

偏差値幅10弱の子たちが混在する。

 

こうした中で、全員一律の宿題で良いわけはないという考えです。

 

日ごろのコンサルティングの中でよく聞くお悩みは、クラスが上がった瞬間に基本を飛ばされ、応用を扱うようになった。

算数に支えられてのクラスアップではなかったので、ついていくのが大変で、行き渋りを起こすようになってきた。

 

こうしたお声をよく耳にします。

 

勉強は建築と同じであると常々考えます。

 

土台や地盤がしっかりとしていない状態で、上物を立ててもすぐに崩れます。

 

それと同様で、基礎なくして応用はなしです。

 

理解するのに時間がかかるお子さんは、例題・類題の理解をしっかりと行い、基本問題を反復して腹落ちさせてから、練習問題に移行する形が大切です。

 

しかし、上のクラスの宿題では練習問題を中心に行うように指示が出る。

 

これこそがまさに個別最適化が必要なケースです。

 

無理についていかせようという視点ではなく、長期的にそういう問題ができるようになればよいという視点をもつことが極めて大切です。

 

そこで、私共をご活用いただいているご家庭には、塾に宿題は勘弁してほしいと申し出ていただき、その子に合った課題を私から提示をさせていただいています。

 

しかし、4・5年生で副教材を提案することはほとんどなく、予習シリーズや栄冠テキストなど基軸の教材の1週間の内容とやり方を抜本的に見直していただいております。

 

このやり方で塾ありコンサルでは成績アップを数多く実現してまいりました。

 

誤解のないように記すと、成績も安定して良く、親御さんもお子さんも前向きに取り組めている方は通われている塾の方針に従って全く問題ありません。

 

しかし、成績低迷が続いているということは何かを見直さなければなりません。

 

塾を変えることも手段なのでしょうが、お子さんが塾に通いたいと言っているのに無理に取り上げてしまうことは、逆にモチベーションの低下を招きます。

 

したがって、今通っている塾の「宿題」を見直すという視点が突破口の第一歩かもしれません。

 

~メディア出演予定~

 

6月24日(火)8時30分頃~

 

TOKYO FMさんの『ONE MORNING』に生出演いたします。ご期待ください。

2025年06月19日 09:16

6年生上位層の理社

こんばんは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

本日は6年生上位層の理社の課題について記したいと思います。

 

上位層で理社にお悩みの方は、このような状態が多いと思います。

 

・コアプラスや4まとは1周し、8割程度はこたえられる。

・日ごろの宿題は難なくこなせている。

・DCや週テの点数も悪くはない。

 

でも、模試になると成績が下がる。。。

 

このような上位層で理社にお悩みの方は共通して、下記に課題があるケースが多いです。

 

・理科や社会の表やグラフの問題に極端な苦手意識を抱えている。

 

・歴史の並び替え問題が不得意。

 

このいずれかのパターンが多いかと思います。

 

特に、理科の表やグラフの読み取り問題は模試でも出題傾向が非常に高く、昨今の入試のトレンドにもなっております。

 

 

こうした問題は下記の3つを抑えておくことが重要となります。

 

①選択肢やリード文で示されている式へ、表に書かれている数字を代入してみる。

 

②実験結果を表す表で、他の比較対象と異なっているところに注目(マーキング)する。

 

③実験結果を表すグラフで、傾きや数字の変化が止まっているところに注目する。

 

次に歴史。

 

歴史は聞かれる角度が社会の中で最も多いので、学習が難しい分野です。

 

漢字、出来事、人物、場所、文化、諸外国の動き、因果関係、資料、肖像画…

 

しかし、最もクセモノなのが、並べ替え問題です。

 

「この出来事は表のどことどこの間に入りますか。」

「次の4つの出来事を古い順に並べ替えなさい。」

「この条約の後に起きた出来事で正しくないものを選びなさい。」

 

上位層でもこうした問題に苦手を抱える子も少なくはありません。

 

これを解決する手段が「年表トレーニング」

 

版籍奉還1869年

廃藩置県1871年

地租改正1873年

 

こうした年号を瞬発的に答えることが出来れば、多くの並べ替え問題に対応することが出来ます。

 

私たちは子ども一人一人のこうした課題をテストから見つけ出し、オススメの副教材のご紹介や自前の教材をお配りしております。

2025年06月17日 08:11

中学受験のモチベーションは7段階

こんにちは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

先週から組み分けテストやマンスリーテストの振り返り面談が始まりました。現時点でのお子さんのレベル感で取れてほしい問題を1問1問列挙し、ミスなのか問題を読んでいないのか理解不足なのかをフィードバックをしています。

 

そして、それを解決するためのスケジューリングや個別指導でお願いすべき内容などをお伝えしています。

 

テストは健康診断。

 

「まずい、血圧が高い。どうしよう。どうしよう。」と慌てていても何の解決にも繋がりません。そして、慌てることがお子さんのモチベーションを左右してしまいます。

 

出た結果をもとに、次なる策を練り、どんどん講じていきましょう。

 

アブラハム・マズローの5段階欲求説という有名な心理学説があります。

 

人間には5段階にわたり欲求の段階があり、

 

第1段階…生理的欲求

第2段階…安全の欲求

第3段階…社会的欲求

第4段階…承認欲求

第5段階…自己実現欲求

 

分かりやすく言えば、

 

第1段階…食欲を満たすために仕事を頑張る。

第2段階…経済的に安全な状態を確保するために仕事を頑張る。

第3段階…職場で所属意識を感じるために仕事を頑張る。

第4段階…上司や顧客から評価・感謝されたいから仕事を頑張る。

第5段階…自分のキャリアパスや理想の自分に近づくために仕事を頑張る。

 

重要なことは、低い段階の欲求を満たしていない人は高い段階の欲求は望めないという点です。

 

明日食べるものにも困っていたら、他者からの評価などを気にする余裕はないですよね。。

 

そして、この5段階ともすべてを満たした方は自己超越欲求といい、無償で世のため人のために貢献する次元になります。

 

成功された経営者が寄付を行うこともこれに近いのかもしれませんね。

 

さて、この考え方は中学受験の勉強においても応用ができるのではないかと考えます。

子どもも大人も人間であることにはなんら変わらず、心を持っています。

 

コーチングを通して、中学受験に挑む多くのお子さんを見てまいりました。

そこで、私が考える中学受験生のモチベーション段階は7段階あると考えました。

 

(第0段階…まったくやる気がでない)

第1段階…ご褒美をもらうために、勉強を頑張る。

第2段階…結果をほめてもらうために、勉強を頑張る。

第3段階…プロセスを認めてもらうために、勉強を頑張る。

第4段階…ライバルに勝つために、勉強を頑張る。

第5段階…掲げた目標を達成するために、親御さんの力を借りて勉強を頑張る。

第6段階…掲げた目標を達成するために、親御さんの力を借りることなく勉強を頑張る。

第7段階…勉強が楽しいから頑張る。

 

 

1つ1つの詳しい内容はまた別日に記しますが、心がけていることはお子さんが今どの状態であるかを見極める初回のカウンセリングは大変重視しています。

 

もちろん事前に親御さんからお子さんに関する情報はたくさんもらっているのですが、肉親から見たお子さんと第三者から見たお子さんは視点が異なります。

 

親御さんは毎日同じ屋根の下で暮らし、他のお子さんとの比較が難しいことから、どうしてもマイナスの部分が目についてしまい、お子さんを0段階であると感じてしまいます。

 

しかし、他の例を多く見てきている私たちは、「あれ、話を聞いてみると案外やる気あるぞ。」と捉えるわけです。

 

この認識のギャップはアプローチを間違えることにつながるので、冷静に見る必要があります。

 

事前に親御さんから聞いていた情報だと、「全くやる気がないので短期的には第1段階に引き上げるために報酬作戦で行くか」となります。

 

しかし、よくよく話を聞いてみると結果を残したいと思っている。でも、どうしたらよいか分からない。

 

という心理状態。

 

そこで、「第2段階に引き上げるために、目先の特定科目の結果を残すためのスケジュール対応で行くか」と切り替えます。

 

 

お子さんが現状どの状態であるかを見極め、それに必要な策を講じていく。

 

例えば、

 

毎日ほめてあげているから、現在第3段階にいるのだけど、個別で中学受験をしていることから目下のライバルがいない。。。

 

このような場合は、親御さんが計算問題の競争相手になってあげる等も有効ですね。

 

どんなに良い講義を受けても、復習をしなければ学力向上にはつながりません。

 

その復習をするために家庭学習をうまく回せなければ、成果にはつながりません。

 

この家庭学習をうまく回す両輪が「確固たる学習スケジュール」と本人の「モチベーション」。

 

これに、やる気の上がる授業が加われば、鬼に金棒です。

2025年06月16日 13:53

読書=読解力向上ではありません

こんにちは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

 

さて、本日は読解という単元が一朝一夕には伸びないわけについて記したいと思います。

 

国語は語学ですから、まずは言葉を覚えていかなければなりません。

当然、熟語というものは漢字が積み重なってできますので、国語の基礎学習の第一歩は漢字学習というわけです。

 

そして、本文を読み取る際の語彙力というものも当然求められますから、次なる第一歩は語彙力の強化となります。

 

単語と助詞が合わさり、文が構成されていきます。そして、文が集まり、文章となるわけです。

 

当然得点化をしていくためには、設問に答えられるようにならなければいけません。

 

ところが、そこには常に制限時間という壁が立ちはだかります。

 

つまり、文章を「早く読む」能力と設問を「早く解く」能力が要求されます。

 

「早く読む」能力というのは、いきなり早く読めるようになるわけではありません。

日ごろから活字に触れている経験をしていないと、不可能です。

 

ところが、読書をしていてもこれはなかなか改善されていかない問題であると思います。

しかも重要なことは、読解が苦手なお子さんは読書も嫌いなものです。

そこで議論になるのが、興味がある文章を提供すればよいのではということ。

しかし、試験の題材は苦手な子にとって興味のない文章が出てくることの方が多い。

 

読書をしても点数化できない。そうなると、読書をますます嫌がるようになる。

正直、私共はやらないよりはマシという程度でとらえています。

 

では、どうすれば早く読め、早く解けるようになるのか。

 

5年生の前期までに「精読勉強法」を確立することです。

 

1つの文章を3日にわけて行います。

初日は音読と線引き。

2日目は音読と要約。

3日目は音読(タイム計測)と設問。→初期は選択肢問題のみ。

 

毎日同じ文章を読み、最終日にタイム計測を行うことで、どれだけのスピードで読まなければいけないかを感じ取ることができます。1題6~8分で読み切ることが入試では要求されます。

 

そして、重要な箇所に対する線引きを行うことで、設問を早く解くための下ごしらえを行います。

作者は十人十色ですが、問題作成者は国語のプロが作ります。だいたい、どの出題者も聞きたいことは決まっています。

それは、「本文の中で重要な箇所を捉えられていますか?」ということ。正しい箇所に線をひければ、問題を解く糸口を探す時間短縮につながるというわけです。

 

次に、要約。これは文章を塊でとらえる練習です。〇行目から〇行目は「地球温暖化」の話。〇行目から〇行目は「花子が落ち込んでいるシーン」と、塊でとらえることができれば、これまた設問を解く時間短縮につながります。

抜き出し問題などでは国語が苦手なお子さんは1から探す傾向にあります。塊で文をとらえることができれば、答えの箇所にあたりをつけられますよね。

 

このように、漢字と語彙→毎日の音読→精読トレーニングを積めてはじめて、設問をどう解いていくかという段階に入ります。

 

読み方が定まっていないお子さんが付け焼刃の設問解法テクニックを学んでもその文章では通用するが、他の文章では全く通用しません。

そして、1度読んだことのある文章は2度と出題されませんから、これはあまり意味のないトレーニングです。

 

時間はかかるかもしれません。テスト対策ではないので目先のテストの点数は上がらないかもしれません。

 

しかし、思い出してください。国語は算数と配点は同じ。どの科目でも「問題を読む」ことが要求される。

そして、生涯にわたって仕事でも読解力は必要。

 

コスパの悪い話ではないと思います。1歩1歩頑張っていきましょう。

2025年06月15日 11:43

4年生算数学習の留意点

こんばんは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

本日は4年生のノートを添削している中で気になったことがありましたので、急遽筆をとりました。

 

 

助走期間を経て、4年生はいよいよ中学受験本丸の領域に突入した頃かと思います。

 

 

今だからこそ身につけておきたい算数の作法について、ご参考になりましたら幸いです。 

 

✅筆算をサボらない 

✅計算は途中式をサボらない 

✅文章題は立式をサボらない 

✅立式をして出した答えは何を出したのかメモするか単位をつけておく。周期算の割り算で出たあまりは和なのか◯番目なのか。

✅抽象→具体。絵や線分図を正確に描く。 

 

4年生前期は成績や速度ではなく、今後の頻出領域に向けた作法を学ぶ準備期間。細部にこだわることが長期的に見たら吉です。

 

今後、割合や速さなどの重要分野が後期には控えています。こうした難所をクリアするには、線分図や情景図の作成は避けては通れません。

 

また、式が多くなってくると、自分が何を出したのかが分からなくなり、数字をこねくり回しがちになります。これが算数が出来なくなる序章となります。

 

受験生になるための訓練期間。 今はスピードや成績よりもプロセスにこだわりましょう。

2025年06月14日 12:07

受験戦略で最も大切なこと

こんばんは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

6年生には、ご家庭にピックアップを行ってもらった(受ける可能性のある)学校の傾向分析についてのお話をしています。

 

本日はこれに関連して、タカベルが受験戦略で最も大切だと考える「併願校選び」について記したいと思います。

 

なぜ、「併願校選び」が重要なのか。

 

それは単純に、最終的には併願校に進学される方の方が多いからです。

 

無論、本命校に向かって努力をし続けることになんら間違いはありませんが、枠の関係で本命校に合格できるのはわずか。

 

否、本命校を見据えたとしても併願校選びはとても重要です。

 

では、どういう観点で併願校選びをしていけばよいのか。

 

雰囲気は無視した切り口で記していきたいと思います。

 

✅通学圏内で早めに合格をつかむ併願校選び

 

入試と模試は別物です。

電車に乗ったときから始まる独特な緊張感。

 

そして、合格か不合格で判断をされる戦い。

わずか12年しか生きていない子たちが初めて一人で戦ってくる戦いです。

 

それが連戦連敗で始まったらどうでしょうか。

その精神状態の中で、2日3日の試験を受けてしまうと、本来の実力は発揮することはできません。

 

したがって、通学圏内で早い段階で合格をつかんでおくことが何よりも重要です。

 

特に神奈川県や東京南部にお住いの方は留意が必要です。

 

埼玉入試や千葉入試で合格をしても通学圏内でないので、通うことはできません。

こうしたご家庭は1日の午後に安全校をセットしておくことを強くお勧めいたします。

以前、神奈川御三家に合格されて進学された方にも、1日は勝負を回避し、安全校をセットすることを強く提言しました。

 

当然、東京北部・東部・埼玉・千葉にお住いの方は1月に安全校をセットしておきましょう。

 

では、安全校の定義とは何か。

 

私たちは6年9月の模試における、自分の持ち偏差値よりも5以上下回る学校を安全校と定義しております。

(実際、この安全校が不合格になったご家庭は過去3年間で0です。)

 

考えたくはありませんが、1日ご縁なし。最低でも1日午後合格の状態を以って、2日以降に臨んでいきたいということです。

 

それほど受験がお子さんに与えるプレッシャーは計り知れません。

 

✅苦手科目の問題傾向を意識した併願校選び

 

次に大切なのはこの視点です。

どちらかというと、安全校ではなく、第二志望・第三志望選びで参考にしたいポイントです。

 

それは、苦手科目の問題傾向を意識した併願校選びです。

 

タカベルでは6年生9月後半から過去問演習を開始していただいております。

それもかなりコミットして行ってもらっています。

(1週間で2年分解く→直し→その週に間違えた問題を再度→忘れたころにもう1度という具合に)

 

この学習こそが6年後期の偏差値5程度であれば逆転を巻き起こせる超重要な学習と位置付けています。

対策が甘ければ、5程度はすぐにひっくり返されてしまいます。

 

この過去問学習に重きを置くという視点に立てば、通塾日は増える・学習課題は増す・過去問が入ってくる。と、弱点補強をしている時間はとれません。

 

そこで、苦手科目に応じた併願校選びが大変重要となると考えています。

 

なぜなら、6年9月の時点で苦手な科目が得意になって、本番に臨める確率はかなり低いからです。

 

であるならば、本命校と苦手科目の傾向の近い学校を選ぶことで、対策の手間や苦手克服の手間を単純に減らすことができます。

 

最も分かりやすい例でいえば、国語が苦手。その中でも、物語文は得意だけど、論説文が苦手な場合。

 

第二志望・第三志望は物語文を出してくれる学校を選べばよいわけです。

 

長くなりましたが、

 

私たちは、お子さんが第一志望に掲げている学校はどんなに偏差値が足りていなくても、過去問の点がとれなくても、お子さんがギブアップをするまでは絶対に変えるべきでないというスタンスです。それは、一生後悔する可能性があるからです。お子さんの人生はその先の方がはるかに長いので、お子さんのコンセンサスなしに、取り上げてはいけないという考えです。

 

その代わり、入念に保険をかけて併願校選びを行います。

であるからこそ、上記2つの視点は大変大切にしています。

 

学校の雰囲気ももちろん重要であると思います。

しかし、学校の雰囲気というのは、その子にとって絶対に合う合わないが保証されているものではありません。

 

入った年、一緒になったクラスメイト、クラスの担任の先生。。。

 

子どもの心は本当に細かいところ一つでも変わります。学校説明会での雰囲気が良かったが、実際は違ったという例も多くあります。

 

ぜひ、試験問題や受験日程という視点も忘れずに学校選びをしていただきたいなと思います。

 

入った学校がご縁のある学校と言いますが、問題の相性の良い学校が求めている人物像に近いので、案外幸せなのかもしれません。

 

LINE登録者の方限定に先行して、6年生先着20名様限定のメニューを近日中に公開予定です。

今後もメディア出演が続々予定されており、毎年満席になるメニューなので、ぜひご登録をお勧めいたします。

 

 https://lin.ee/njza0Lh

2025年06月13日 10:05

高学年女子の反抗期vs中学受験

こんばんは。

中学受験コンサルティングタカベルの高畑です。

 

本日は高学年女子の反抗期の中学について記したいと思います。

 

小学校の先生が最も気をつける存在、それが「高学年女子」であるかと思います。

 

学校では特定の集団を形成し、集団内での人間関係・集団同士での人間関係・先生との人間関係など、さまざまな局面でトラブルが発生しやすく、扱いに苦慮している先生も多いでしょう。

 

では、なぜ人間関係のトラブルが発生しやすいのか。

これが中学受験での接し方のヒントになると思い、まずこの視点で記したいと思います。

 

男子と比較し、精神的発達が早いため、社会性を身につけるのも早いことが特徴です。

どのテストを受けても女子の方が国語の平均点が高いのは、この社会性を早い段階から身につけていることに他なりません。

自分ファーストではなく、集団ファーストで動いているからこそ、他人の気持ちに敏感なのでしょう。だから、国語が得意。

 

しかし、社会性を身につけるということは、男子ほど「自分の色を出せない」「自重しないと村八分になる」という意識がはたらき、自分を押し殺しているお子さんも少なくありません。

 

また、女子は「共感したい」・「共感されたい」という深層心理で集団を形成します。

これ自体は悪いことではないのですが、集団を形成するということは「周囲との比較」という視点が必ず入り、自己肯定感が低かったり、自信を持てないお子さんが多いのも大きな特徴です。

 

ここまでをまとめてみますと、高学年女子の特徴は、

 

・社会性を身につけていることから、自分を押し殺している。

・社会性を身につけていることから、自己肯定感が低い。

・共感したり、共感されたりすることで、人間関係を構築している。

 

こういう特徴を持っていることが多いという視点で接してあげることがまずは重要です。

 

だからこそ、

 

・家ではある程度、羽を伸ばさせてあげる。

・存在ややっていることを認めてあげる。

・マイナス言葉を吐いたときは、一旦は共感してあげる。「大変だよね~」など。

 

では、具体的にどのように中学受験に落とし込んでいけばよいのか。

下記のチェックポイントが参考になりましたら、幸甚です。

 

✅やっていることの目的や目標に常に立ち返らせる

 

教員時代に学んだ言葉がけがあります。

 

「ごみを拾いなさい」では動かず、「みんなが気持ちよく過ごすために、ごみを拾います」という言葉がけでないと、動かない。

 

今やっていることの目的や目標に常に立ち返らせるという言葉がけが重要になります。

 

娘「朝勉強めんどくさい」

母親「めんどくさいよね。毎日よく頑張ってると思うよ」→共感する

  「でも、何のために勉強してるんだっけ?」→目的を引き出す

娘「成績をあげるため」

母親「成績をあげるためだよね。つらいと思うけど、一緒に頑張ろう。」→共感+同じ目線で

 

男子は目先の楽しさやわくわくに目が行くのでテンションの上がる学習という視点が重要ですが、女子は精神的に発達している分、やっていることの意味に立ち返らせることが重要となります。しかし、これも伝え方が重要です。

 

✅子ども扱いしない伝え方

 

高学年女子が最も嫌がること。それは、「子ども扱い」です。

 

家庭教師で高学年女子を受け持ったときに、2人に1人から聞いたことあるのが、「うちの親はいつも子ども扱いをするんだよね」です。

 

では、子ども扱いとはどういう対応なのか。

 

それは、上からの指示出しです。「要点チェック終わったの?」や「早く4まとをやりなさい」など。

 

男子ももちろん嫌がりますが、女子は特に嫌悪感を示します。

 

親御さんにとってのお子さんはまだまだ未熟な部分も多く、子どもと感じるシーンも多いでしょう。

 

しかし、高学年女子を1人の大人に接するつもりで対応しないと、過度な反発を招きます。

 

ひどい暴言が発せられる傾向があるのも特徴ですが、これは「自分を下に見ないで」「大人として扱って」というある意味の反作用なのです。

 

指示を出したいのを思い切って我慢し、「今しんどい?」や「大変だよね」と共感・傾聴をこころがけ、「目標に向かって頑張っていこう」と声かけをする。

 

悩んでいる友人に接するつもりで声掛けをする視点でいくと、良いかと思います。

 

✅フリートークの時間を設ける

 

前述しましたが、高学年女子は心の中に様々な感情を抱えている状態。

しかも、中学受験を行っているお子さんはどちらかというとマイナスな感情であることの方が多い。

周りと比較するシーンも受験をしない子と比べて多いでしょう。

 

なにかを解決してほしい状態ではなく、解決できるとも思ってもいなく、とにかく吐き出したい、聞いてほしい状態。

 

こうした時に、勉強のことばかりを話すと、もう信頼関係は築けません。

 

勉強に行き詰まったら、勉強外の話題を話すことで、突破口が開けるかもしれません。

 

とにかく、コンサルではなく、コーチングです。

 

それも、受容・共感・傾聴。これに尽きます。

 

以上、2回に分けて反抗期対応について記してきました。

 

今のご時世、性差について語るのはやや憚られますが、やはり脳内構造も異なることの方が多い。

性差なしには中学受験対応は語れないと考え、筆を執りました。

 

まとめると、

 

男子→ライバル・数字の重要性。

女子→内面に働きかける重要性。

 

そして、大切なのは子どもと同じ目線に立つこと。

 

上から目線では反発を招き、下から目線ではなめられる。

 

勝負重視の男子には同じ目線で、自らも子どもになって勝負する。

コミュニケ―ション重視の女子には同じ目線で、大人として接する。

 

中学受験はお母様が女優になることが大切と言いますが、演じる必要はありません。

視点を上からではなく、子どもに合わせるという意識が何よりも重要であると思います。

2025年06月12日 20:03